2度目の2ヶ月連続持家2万戸割れ


 

波乱の時代に求められる適応力

2022年度は難しい年になる。住宅着工は20年度の落ち込みから回復してはいるが、ここ数年の住宅業界は激しく揺れ動いた。
2019年の消費増税、2020年から今も続くコロナ禍、2021年からはウッドショックを始めとした資材価格高騰、そして2022年はウクライナ危機による地政学リスクに世界的な経済混乱と、落ち着かない非常事態が続いている。
ただその前もリーマン危機や東日本大震災、消費増税等で揺れて来たわけで、平常時というのは実はないのかもしれない。
常に変化を続けている世の中で、事業運営に求められるのは変化に適応していくということなのだろう。 

2021年度の住宅着工は86 万戸水準、持家着工も年間では28万戸を回復したと見られる。
ただその中で注目されるのは、2022年1~2月の持家着工戸数が再び2万戸割れとなったことである。
22年2月の着工は19,258 戸、2月としては過去最低水準まで落ちた。
 

持家需要は頭打ちの様相

2020年にも消費増税の反動減影響を受けて、同じく2ヶ月連続の2万戸割れが起こった。
2021年度の持家着工は、前半戦が堅調に推移してきたこともあり、その反動減のような形で持家着工が鈍化していると見られる。
一部ではウッドショックや資材不足の影響による着工遅延等もあったかもしれないが、持家需要は頭打ちで限界のところまで回復したという可能性も考えられる。
実際に昨年8~10月は直近4年で最も多い着工となった。ある程度着工が増えれば、需要は満たされ、その後は着工が落ちて来るならば、2022年度上期の持家着工は前年割れで推移していくだろう。
持家着工はここ数年、安定しているように見えるが、リーマン危機後の5年平均で31万戸、その後5年で28万戸台、その次の5年(2019 ~ 23 年)では27万戸台まで落ちるペースで来ている。 

■直近4年の持家月次着工戸数推移
直近4年の持家月次着工戸数推移
 

進行するインフレにどう対応するか

コロナ禍で高まった住宅需要は一巡した可能性も否定できない。
賃貸居住者は広めの住宅に移り住もうと建売住宅、マンションを買い求め、持家にも需要は向かった。
モノの値上げが足元で進むが、住宅価格インフレは先行して進んでおり、この後も原価上昇が続く限り、価格を据え置くことは難しくなる。 

住宅価格上昇に消費者の購買力が追い付かず、加えて様々なマイナス要素が噴出してきているため、住宅が欲しくても諦めるという層が増えてくると見られる。
その受け皿として既存住宅の供給も必要であるし、価格が上がっても新築住宅を買うメリット訴求も欠かせない。
変化している住宅需要に適応していかなければならない。 (関)

■持家着工戸数の推移(リーマン~コロナ)
持家着工戸数の推移(リーマン~コロナ)
 

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