2023年のリフォーム補助金は大盤振る舞い
2023年は窓リフォームの年になるだろう。そんな生ぬるいものではなく、今、窓リフォームが空前の盛り上がりを見せている。
3省連携のエコリフォーム補助金の中でも特に集中的な人気を集めているのが、経産省・環境省の管轄である「先進的窓リノベ事業」である。
予算は1,000億円と大きく、補助金の上限額が200万円。
SS グレードの大型窓交換リフォームの場合、1ヶ所につき183,000円、最少額のAグレード小型内窓設置の場合でも30,000円の補助金が支給される。
今までにない大盤振る舞いと言えるだろう。
新築と同じ枠で支援される国交省のこどもエコすまい支援事業は、予算は1,500億円と大きいが、新築のZEH住宅に100万円となるため、大半は新築で活用され、リフォームは支援額も最大30万円に留まる(若年層で既存住宅購入を伴う場合は最大60 万円)。
エコすまいのリフォーム支援の内容は、昨年実施のこどもみらい支援事業と変わらない。
もう一つは経産省の高効率給湯器支援であるが、これは額も小さいためインパクトは大きくはない。
受注殺到の高断熱窓
今回、高断熱窓の受注額は、主力メーカーのLIXIL、YKKAPともに過去最高を記録しているという。
これまでも窓断熱に対する補助金は何度も支給されてきたが、やはり補助金額の大きさが需要を爆発させた。
リフォーム金額の5割程度の補助金が出るともなれば、さすがに関心は高く、加えて冬の寒波と光熱費高騰という窓リフォームの需要を押し上げる背景もあったため、消費者も業者もこの補助金を巡って錯綜しているといった状況かもしれない。
■ 3省連携エコリフォーム補助金概要
コロナ禍では事あるごとに需給が逼迫し、トイレ、給湯器、IHとあらゆるものの生産が追い付かなくなり、納品遅延、工事遅延と住宅業者にも多大なる影響が及んだ。
需給バランスの崩れに何度となく苦しんだ業者も多いだろう。
生産・施工の逼迫に注意
今回は嬉しい悲鳴ということになるかもしれないが、既に窓生産は1ヶ月程度の納期遅延を起こしており、生産能力3倍体制が求められているという。
窓の施工体制も間違いなく逼迫する。
補助金は徹底活用しつつ、消費者への説明や施工体制を確立して、極力スムーズに断熱リフォームを強化していきたい。
そしてこの高いニーズを受けて、断熱改修補助金が継続的に出されることに期待したい。 (関)