増税後の住宅市場をどう戦うか

増税後の住宅市場をどう戦うか
~動き出す消費税増税後の恩恵を受ける層~

 

増税後の住宅市場をどう戦うか

平成も残り数日となった。住宅業界における令和1年目の最大テーマは増税後の住宅市場をどう戦うかだ。この4月で消費税増税の経過処置期間が終わり、先送りにした層は、13年間のローン減税、すまい給付金、次世代住宅ポイントのメリットが受けられる。

 

すまい給付金

特にこの4月から動きだしているのはすまい給付金でメリットが出る所得目安775万円以下の層。ここがしばらくはメインターゲットとなるのは間違いないだろう。そしてこの先送り層に対しては、商品の価格帯を合わせていく必要がある。
すまい給付金を受けられる収入から返済比率25%で借入額を計算すると以下のようになる。

(参考:35年、固定金利1.270%)
775万円・・・借入額 約5,400万円
675万円・・・借入額 約4,800万円
600万円・・・借入額 約4,200万円
525万円・・・借入額 約3,700万円
450万円・・・借入額 約3,200万円

土地有りの顧客であればそれなりに余裕を持って計画できる層もいるが、問題は土地無しの一次取得層だ。土地代はエリアによってさまざまだが、外構やインテリア、付帯工事抜きで考えて、この価格帯にマッチする商品価格としては、建物価格2,000万円~2,500万円といったところだろう。

商品分析は「’18 住宅メーカーの商品力分析」

 

住宅商品販売棟数ランキング1位

住宅商品販売棟数ランキング
では、この価格帯で最も売れている商品は何か。弊社でハウスメーカーを対象に毎年行っているアンケートから、2017年度の価格帯別の住宅商品販売棟数ランキングを紹介する(’18住宅メーカーの商品力分析より抜粋)。

2,000~2,500万円の価格帯で最も売れている商品は、一条工務店の「i-smart」となった。少しグレードを下げた「i-cube」も含めると年間約10,000棟を販売しており、大手ハウスメーカー以外にも住宅FCを含めて、住宅業界で最も売れている商品と言っても良いだろう。性能としては言うまでもないが、天井235mm、外壁140mm+50mm、床140mmの高性能ウレタンフォーム、高性能樹脂サッシトリプルガラス、熱交換換気システムによる断熱性能が特徴で、UA値は0.25W/㎡・Kという唯一無二の性能が顧客に響いている。

 

住宅商品販売棟数ランキング2位以下

2位は「xevoB」。大和ハウス工業のxevoシリーズはΣとE・Bなどで構造が分かれている。この商品はトリプルコンバインドシステムの「xevoE」をベースとしたもので、分譲用に仕様を絞った商品だ。
4位にはミサワホームの「MJ-WOOD」がランクイン。「MJ-WOOD」は木質パネル工法ではない、木造軸組みのセカンドラインという位置づけ。金物MJメタルジョイントで接合し、制震装置「MGEO-N」を装備。平屋、大容量太陽光、大開口商品、3階建、耐火商品などラインアップも豊富。ミサワホームは企画商品のスマートスタイルもランクインする。
5位は三井ホームの「セレクトフリー」。これは規格商品「セレクトオーダー」のフリープラン版という位置づけ。建物の性能は変わらず、設備や仕様が絞り込まれている。7位はセキスイハイムのクレスカーサ。これも外壁などの仕様やユニット数を調整して価格を下げた商品だ。

集計上ランクインはしていないが、この他に住友林業のフォレストセレクションBFや、積水ハウスのセカンドブランド積和の木の家なども存在する。各社価格帯を一段下げたサブ商品を持っており、一次取得層捕捉を意識している。

 

地場ビルダーも参戦する激戦区の価格帯

この2,000~2,500万円の価格帯はかなりの激戦区となっており、一条工務店に加えて、エリアごとに地場ビルダーが参戦してくる。
地場ビルダーはこの価格帯より一回り安いケースが多いが、その分オプションやインテリアを詰め込むことで、豪華な仕様とすることができる。それに対し、設備仕様を絞って我慢して価格を合わせたハウスメーカーのサブ商品では見劣りしてしまうかもしれない。
一条工務店がこの価格をメインに添えた商品展開をしているように、この層を狙うためにはサブ商品という位置づけではなく、メイン商品として本気で商品開発を進めてもいいかもしれない。

この層を狙うよりも単価が大きい方が効率が良いという声もあるが、数が出れば現場が増え広告にもなり地域における存在感が増す。オーナーが増えれば紹介が増えるし、将来はリフォーム、中古売買などストック事業にも繋がるはずだ。(高津)

商品分析は「’18 住宅メーカーの商品力分析」