2018年、住宅業界10大ニュース

消費増税を控えた激動の年明けである。2019年の今後は先の見えにくい年になりそうだ。

 

自然災害の多発

2018年という年で印象が大きいのは、自然災害の多発である。象徴する言葉が「災」であったように、自然も荒れ、米中始め世界情勢も荒れた。大雪、地震、豪雨水害、台風、猛暑と相次ぎ、立地や地盤を含めて防災が一つの重要な条件という認識は高まった。

 

ZEH5つ星制度

自然の猛威に抗うことは難しいまでも、環境配慮の一環として、省エネルギー住宅、ZEHは不可欠な時代とも言える。

ビルダー登録制度において、ZEH5つ星制度がスタートし、一方で省エネ義務化は先送りとなった。IoT住宅元年として次世代住宅へ一歩踏み出した年でもあり、未来の住宅の一端が垣間見えた。VR等のテック化も進む。

 

M&Aやグループ化の動き

M&Aやグループ化の動きも進んだ。パナソニックに次いで、昨年10月には三井不動産、ヤマダ電機が住宅事業会社を完全子会社化し、将来を見据えて再編、強化を図り始めた。新築着工の減少時代に備え、大和は物流施設等、積水はホテ ル事業、大手ハウスメーカーは非住宅分野に注力。

ミサワと大末の資本提携等、ゼネコンとの提携や連携もより強化され、また大手の海外での住宅事業展開も大幅に進んだ。

 

住宅市場の明暗

住宅市場は利用関係別で大きく明暗が分かれた。失速を強めたのは賃貸市場で、不正融資問題も含めて逆風が吹いた。持家は住宅メーカー戸建住宅の受注が回復、夏以降は好調さを増している。着工が増加基調を維持して勢いのある市場の牽引役が建売分譲で、ホーク・ワンを子会社化したオープンハウス等の有力大手の成長は著しい。

新築からストック市場へシフトも進んできており、安心R住宅、改正宅建業法、民泊新法施行等、ストック流通市場での新制度がスタートした年でもあり、業界全体での大きな転換点ともなりそ うだ。本格的な浸透はこれからだろう。

 

消費増税へ向けて

そして消費増税へ向け、数々の住宅取得支援制度が決まる。景気動向次第ではあるが、住宅市場 は悪い状況ではない。猪突猛進ではなく、うまく緩急を付けて攻めて行ける年だ。住宅業界にとって極めて重要な年となることは間違いない。(関)

 

2018年10大ニュース

① 自然災害多発、防災やエネルギーの意識高まり重要課題へ
② ZEH ビルダー5つ星制度スタート、一方、省エネ義務化は先送りで環境対策は失速か
③ IoT住宅元年、AIスピーカーによるIoT住宅が主流、VR等の販促テック化も進む
④ グループ化、再編が加速(三井、ヤマダが再編、上場廃止)
⑤ 非住宅分野に注力、資本提携やM&A、大和物流、積水ホテル強化
⑥ 賃貸住宅失速、かぼちゃの馬車から金融不正融資問題も露呈
⑦ 低迷が続いた大手ハウスメーカーの戸建が底打ち回復へ
⑧ 建売着工好調、分譲大手オープンやケイアイはM&A含め拡大
⑨ ストック関連の主要新制度がスタート(安心R、インスペクション説明義務化、民泊新法施行)
⑩ 消費増税対策と景気対策、政府の増税後住宅取得支援策が発表

 

2019年展望

① 今年も自然の脅威への対策は怠るな、業界の必須課題
② 省エネZEH まだまだ温度差あり、来年50%へ向けて舵を切るか
③ IoT住宅は住宅の未来像、取り組み自体は積極展開へ
④ 事業承継含めたビルダーM&Aは続く、異業種による買収、ビルダー同士の経営統合
⑤ 非住宅分野への注力は進む、ビルダーも大型木造へ進出
⑥ 賃貸住宅市場はエリア選別が加速、一部地域は過剰、主要都市部に集中
⑦ 戸建受注は一定水準を上回り推移、増税前の駆け込みは限定的、増税後にも支援メリット恩恵で反動減を抑制
⑧ 建売分譲は引き続き安定、増税前の過剰仕込みで在庫膨らむビルダーも
⑨ ストック関連ではリフォームに駆け込み発生、次世代ポイントメリットを取る若年層の中古+リフォームが4月以降動く?
⑩ 増税後の住宅取得支援策で、今年は攻められる年に、市場の激動なく前向きで安定的な1年となるか

■2018年10大ニュースと今年は何が起こるか
2018 年10大ニュースと今年は何が起こるか

 

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