最後の受注盛り上がりをどう活かすか

 11月に入り、いよいよ今年も残りわずか、そして来年の消費増税がもう既に目前、という段階まで来た。決算内容は苦戦の色もにじむが、受注環境は決して悪くない。このまま増税前駆け込み期まで突っ走っていくといった雰囲気だ。今後を左右する重要な大勝負を前に、各社戦々恐々としているという状態かもしれない。
 前回増税以降、大手ハウスメーカーの持家、戸建注文住宅の受注は苦戦が続いた。アパート特需があったお蔭で、業績自体は悪化せずに来れたが、最近になって、今度は戸建受注が回復という動きが顕著になって来ており、全体的に見て戸建受注は底を打ったようだ。住団連や各社の見解では、これは駆け込みとは見ていない

 改めて、大手各社の月次の受注動向を見てみると、例えば積水ハウスは10 月17%増、直近3ヶ月はいい。更にいいところは既に今年初めから上向きで、住友林業の戸建受注は今年1月以降、10ヶ月連続でプラスを維持する。特に10月は良くて、前年比25%のプラスとなった。上半期均しても9%の受注プラス。要因として挙げられるのは、一次取得者向けに土地情報の強化を図りつつ、フォレストセレクションBFによる企画プランの商品で、注文住宅も分かりやすく、商談がしやすくなったこと。平屋も27%に増え、同時に中高級層に対しても商品を強化した。土地、企画化、富裕層と複合的な要素で全体的に伸びたということだ。
 積水化学、旭化成も住宅事業全体で好調を維持。旭化成は10月は前年が良かったこともあってマイナスだったが、昨年末から受注は基本プラスに推移しており、好調な業績ということが言える。

 加えてリフォームも好調で、住林ホームテックは戸建と同様にプラスを維持し、10月は29%のプラスと二桁増の月も多い。技術力を活かした大型リフォーム戦略の効果もあり、10月単月としては過去最高の受注実績になったという。積水ハウスのリフォームも9ヶ月連続プラスだ。

 駆け込みということではなく、増税に関する問い合わせは増えているという。消費者が、住宅購入は増税前がいいのか、後がいいのか、購入へ向けて前向きに動いていることの証だろう。あと4ヶ月余り、おそらく受注は好調に推移する。前年を上回るのは当たり前で、いよいよ増税となれば、いくら増税後支援があっても3月までに、という動きは活発化するはずだ。

 来年のスタートは、次に増税がない限り、最後の受注盛り上がりということになるだろう。ここで受注を確保することは重要でもあるが、受注を取り過ぎた結果、その後の反動減に苦しんだ例もある。こういう時こそ、丁寧な顧客目線の接客であったり、工事での対応が求められる。最後の活況期をどう活かすか、いよいよ実行に移す時である。(関)

月刊TACT2018年11月号今月の焦点 大手戸建、リフォームの受注前年同月比推移

 

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