住宅メーカー多層階戦略~さらに伸びる

多層階住宅についてはこのブログでも何度か取り上げましたが、まだまだこのテーマの熱は冷めておらず、今回パナホーム、旭化成ホームズが新たな商品を投入しました。

■パナホーム「ビューノ9」
多層階住宅提案で一歩先を行くパナホームは、従来7階建までであったビューノをさらに強化し、9階建までを建築可能としました。柱の大きさを250mm、300mm、梁の高さを400mm、450mmまでラインナップすることで、柱間隔は9mから10.8mに、オーバーハングは3mから3.6mまで拡大し、設計の自由度がさらに高まりました。
またフロアごとに異なる階高を設定し、1階部分は店舗、工場などに使えるよう最大4mまで、オーナー宅を想定した最上階は最大3.14m、中層階では2.84mなど用途に合わせて天井高を設定することができます。
9階建のターゲットエリアは、東京、神奈川などの大都市圏における容積率が高いエリアで、特に容積率500%のエリアにおいて土地を最大限に活用できるのが9階建であると言います。パナホームの多層階住宅(3階~)は、2016年度受注は800億円を見込み、2018年度には1,000億円の受注を目指します。

■旭化成ホームズ「ヘーベルビルズシステム」
3・4階建市場のトッププレイヤーであるヘーベルハウス。今回の新たな構法は、フレックスにおけるシステムラーメン構造の技術や、生産・施工方法を継承しながらさらに設計自由度を高めて8階建まで対応可能としました。
あくまで柱や梁の接合システム、ロッキング工法、基礎工事といった主幹部分は今までのへーべルハウスのままというところがポイントで、中高層用に進化させても施工の大部分を自社グループの旭化成住宅建設が施工可能で職人不足にも対応します。
もちろん同社の特徴である「ロングライフ住宅」も継承しており、途中で大規模な補修が必要になるといったオーナーの経営を揺るがす事態が起きないよう、長期安定の「ロングライフ経営」を実現します。また今後は資金スキームやテナント誘致などのソフト面においてもオリジナルのサービスを強化していくとのことです。2020年度には4階建以上で500億円を目指します。

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