巨大グループ誕生で進む業界再編
住宅業界は極めて裾野の広い業界であるが、徐々に業者数が減り、グループ化が進んでいる。M&Aは日常茶飯事であり、ハウスメーカーやビルダーによる同業他社の買収がいつ起こってもおかしくない。2025年に発表されたグループ化で大きかったのは、YKKAPとパナソニックハウジングソリューションズ(PHS)の住宅設備建材メーカーの融合。パナソニックHDの保有するPHS株の80%を2026年3月末までにYKKに譲渡し、中間持株会社を設立して新しい総合設備メーカーが誕生する。LIXILが誕生した時のことを思い出した人も多いと思われるが、サッシメーカーと設備メーカーの統合という同じような動きであり、メーカーの2大勢力が誕生することとなる。1兆円を超える規模の企業となり、LIXILの国内売上規模とほぼ並ぶグループとなる。
業態別二強構造と生き残り戦略
このパートナーシップが実現すると、業態ごとにトップ2が圧倒的な売上規模で君臨するという構図が築かれることになる。ハウスメーカーでは5兆円の大和ハウスと4兆円の積水ハウス。それぞれに強みがあり、この2大グループを上回ることは極めてハードルが高く、圧倒的な巨大陣営を築いている。
分譲大手では、建売住宅全国トップの飯田グループと、不動産事業の多角化戦略を取るオープンハウスグループの2強。オープンハウスの追い上げにより、売上高ベースでは今期1兆5,000億円規模と、ほぼ並ぶことになる。ケイアイスター不動産グループも高い成長性で5,000億円規模を視野に入れるが、1兆円超えのビルダーはこの2社以外にない。
全国展開する注文住宅大手では、一条工務店を別格とすると、アイ工務店とタマホームが2,000億円規模で並ぶ。直近売上高ではアイ工務店が約2億円上回り逆転した。棟数でも5,000~7,000棟と近い規模だ。更にヤマダHDの住宅部門もグループを合わせた売上では両社を上回り三つ巴だ。宮城のトップビルダーである東和総合住宅をヤマダホームズが子会社化する等、M&Aは積極化しており、ヒノキヤグループ、ヤマダホームズを軸に徐々に規模拡大を進める。
合従連衡の時代である。「状況や利害に応じて勢力が結びついたり離れたりする駆け引き」ということを指す言葉であるが、三国志や日本の戦国時代のように、巨大陣営に次々と別の会社が加わっていく。住宅業界でのグループ化は今後も加速しそうだ。どういう選択をして生き残るか、企業ごとに答えは違う。何が最善策か考えなければならない。
■住宅業界の各業態における2大陣営

