持家着工25万戸割れの現実味


 

単月持家着工2万戸割れが頻発

住宅着工の減少が加速し始めたか。
12月の住宅着工は全体では1.7%減に留めたものの、低層住宅の着工が全面的に苦戦した。
持家は13ヶ月連続で前年を割り、二桁減少も7ヶ月連続である。
12月は前年比で13.0%減少したが、衝撃的だったのは、単月2万戸割れにまで減少したことである。
過去5年間の月次着工戸数との比較で見ても、10月以降、過去実績からの乖離が大きくなっていた。
12月に単月で2万戸を割ったことは、過去60年では一度もない。
 
■ 持家着工は3 ヶ月連続で2万戸割れとなるか? 
持家着工は3 ヶ月連続で2 万戸割れとなるか? 
 

12月は低層賃貸・建売着工も減少

持家2万戸割れは2020年以降多発しており、消費増税影響によって落ち込んだ2020 年1~ 2月、コロナ緊急事態宣言時の20 年5 月、21 年は回復期で1月のみ、22年1~2月、そして12月と7回目だ。
22 年1~ 12月の年計は前年比11.3%減の25.3万戸で着地した。
今年1~2月も前年を下回る可能性が高く、3ヶ月連続2万戸割れとなる見通しである。
仮にこのまま1割程度の減少が続けば、1~3月はとんでもなく少ない着工となり、2 万戸割れが常態化するかもしれない。
結果として、22年度の持家着工は24.7万戸台に落ち込む可能性がある。60 年前の水準をも下回る劇的な着工減である。
ちなみに25万戸を上回るには、1~3月の3 ヶ月合計が前年比5.5%減以内とならなければならない。

持家に比べてまだ堅調だったアパート、建売分譲も12月は急失速した。
建売分譲はやや過剰感があったため、調整期に入って着工は減少となる見通しだったが、5.8%減と減少率は21 年1月以来の大きなマイナスとなった。

また低層アパートに関しては、大手ハウスメーカーの受注が堅調に推移していることから、もう少し着工増が続くと見られたが、12月単月は前年比6. 0%減少であり、これも21年3月以来の減少率である。
受注額は増えているが、戸数ベースではそろそろ頭打ちになっているのかもしれない。 
 
■ 利用関係別着工前年比、頼みの低層アパートも失速
利用関係別着工前年比、頼みの低層アパートも失速

取り巻く経済環境は厳しいものばかりだ。
住宅価格の上昇、物価高に加え、金利上昇の懸念も出てきた。
消費者の動きはより鈍くなっていくことも想定しておく必要があるだろう。
 

良質な住宅を適正なボリュームで供給する時代へ

住宅着工の減少は、随分前から既定路線とされてきた。
その割には80万戸台を粘り強く維持して来たとも言え、その限界に達しつつあるのかもしれない。
数を追う時代は終わった。
高い性能を保持した良質な住宅を、適正なボリュームで供給していく時代に突入している。 (関)
 

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