ウッドショックに見るコロナ影響


 

住宅の主要材料、木材不足の危機

比較的コロナの影響は小さかったと言える住宅業界に、これまでにない大きな波が襲って来るかもしれない。
ウッドショック。
木材が足りない、家が建たない。
そういう危機が今、住宅業界を襲いつつあるという。
波は川上から徐々に押し寄せるため、まだ着工自体が出来ないというところまでは来ていないようだが、5 月からは上棟に遅れが出始めるところもありそうだ。
世界で半導体が不足して自動車業界等が減産に追い込まれているのと同様に、住宅業界にも主要材料の木材が入らないという危機により、着工遅延等の影響は少なからず出るだろう。 
 

価格高騰、住宅価格にも影響大

輸入材が入らない状況の中、価格高騰の影響は既に現実化している。
プレカット工場各社でも3月末から受注を9割に制限する等という形で対処し始めた。
材が入らないということで、価格の高騰は避けられず、値決めもデリバリー直前まで行わないような対応も取られているようである。 

コロナ禍というのは本当にあらゆるところに影響を及ぼしていることが分かる。トイレショック、地価下落、緊急事態で集客激減と様々な波が来たが、その反発もあって昨年後半からは需要が回復して来た。
ところが今回のウッドショックは世界中の需要と供給のバランスが崩れて、回りまわって今になって日本の住宅業界に大きなダメージを与えようとしている。
発端の中心は米国で、コロナで木材減産、住宅需要の急回復、木材が足りずに価格は高騰。
米国シカゴ木材先物価格では、昨年春の安値からわずか1 年で5~6倍に急騰しているという。
住宅のみならずレストラン等の屋外飲食スペースに木材が使用される等、あらゆるところで需要に供給が追い付いていない状態が続き、米国では住宅価格が数百万円アップしている例もあるという。 
 

国産材では供給に限界、混乱いつまで?

日本に材が入ってこないのは物流の混乱もあり、世界中でコンテナ不足が続いて、サプライチェーンが寸断されたことも大きな要因である。
日本の国産材自給率は3 ~4割程度であるため、急には国産木材調達に切り替えられない。
タマホームや新産住拓、分譲ではウッドフレンズや三栄建築設計など、従来から地産地消の供給網を持っているところ以外は、国産材調達も難しい。 

このような減産と急回復による需給バランスの崩れはコロナ禍に限らず繰り返されており、平時の供給体制は非常に脆い。
米国では品薄状態が落ち着き始めたという情報もあるが、収束の時期はまだ見通せない。
生産と物流の平常化が遅れて混乱が長引けば、業界に大打撃を与えるが、住宅価格上昇は一時的にせよ避けられないだろう。しばらくは状況を把握しながらの事業運営が求められる。(関)

 
■ウッドショックの構造
2ウッドショックの構造

 

もっと月刊TACTの記事を読む

※無料試読のお申込みはこちら

 

こちらもいかがですか?