震災10年の記憶とバブル後30年の記録


 

10年前~東日本大震災

あれから10年、東日本大震災はまだ終わっていなかった。
2月13日には東北地区で10年ぶりに最大震度6強の大きな揺れが襲ったが、これが10年前の余震とされる。

戦後最多の災害犠牲者数、30万戸を超える建物の全半壊を出した大災害は、耐震の重要性を再認識させたことはもちろんだが、津波の怖さを強烈に印象付け、10年を経ても鮮明に記憶される。

その後も熊本や北海道を震度7クラスの地震が襲い、津波以外の豪雨や台風による水害は頻発している。
繰り返される災害は日常的に起こりうることとして、自然災害対策は住宅業界の必須課題であるが、ハザードマップによる立地選別も含めて、常に強化策が求められる。
特に建物の工夫で強化される水害対策は力を入れていくべき分野だ。 
 

20年前~失業率過去最高

少し記憶は遠くなるが、更に10年遡る20年前の2001年は米国のITバブルが崩壊し、米同時多発テロ事件が起きた。
国内では同年7月に完全失業率は過去最高の5%を記録し、株価低迷と銀行の不良債権処理が企業業績を直撃した年である。

景気はどん底だったこの年に、小泉政権が発足した。
20年後のコロナ禍の今、一部の業界で壊滅的なダメージはあるものの、幸い失業率はまだその記録を超えるまでに悪化はしていない。
 

30年前~バブル崩壊

30年前の1991 年はバブル崩壊の時期である。
昨年来バブルの熱狂が再び訪れたかのように、30年半ぶりの高値を記録したのが日経平均株価である。
2020年3月のコロナショックによる株の急落から、株価3万円超えまでの継続的な上昇は、歴史的な動きを示した。

コロナ禍での株高騰は世界的な金融緩和や景気回復期待によるとされるが、地震と同じで歪みが溜まればそれが弾ける時がある。
一時的な調整か、バブル崩壊の始まりか、2月末には3万円を再び割って1日の下げ幅が1,200円を超え、その後も株上昇に警戒感が強まっている。 
 

コロナ禍の記憶と記録

コロナ禍の2020~21年というのは、記憶としても記録としても長らく残るだろう。
住宅着工はリーマン危機後の2009年77.5 万戸を底にし、2020年度は80万戸内外とその着工は上回りそうだ。
但し持家は26万戸レベルと60年ぶりの記録的な少なさ、プレハブ着工は11万戸強と統計史上最低で、1980年を下回る見通しだ。

マンション供給も全国で6万戸割れと1976 年以来の少なさ、市場は確実に縮小に向かっている。着工数はバブル期の水準に戻ることはないが、度重なる災害を機に住宅性能は確実に向上している。耐災害住宅への取り組みは今後も手を緩めることはない。 (関)

 
■震災から10年、バブル後以来の30年ぶり株価高値と2020~21年記録
震災から10年、バブル後以来の30年ぶり株価高値と2020~21年記録

 

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