消費税10%時代の幕開け

 

購買意欲の冷え込みは限定的か

消費税が10%に上がった。景気の状態は今一つ良いわけではないが、食品の軽減税率があり、更にキャッシュレス決済ポイント還元という後押し策がある。コンビニでの買い物はその場で2%引きとなり、9月に買い物をするよりも増税後の方が安く買える。

今の実感としては、何となく期間限定措置のある間は、購買意欲の冷え込みは限定的になりそうな雰囲気はある。
 

大手ハウスメーカーの受注動向

駆け込みで購入が多かった商品には当然反動減はある。買う予定があるものは増税前に買って、その後はしばらく買わない。駆け込みがあった高額の住宅、家電というものはやはり反動減の需要減退は出て来る。

今年4月以降、大手ハウスメーカーの受注動向は劇的に悪くなっているわけではないが、良くはない。マイナストレンドにあることは確かだ。
 

幼児教育無償化で少子化対策

増税のタイミングが悪いとか、キャッシュレスポイント等の支援制度が複雑で分かりにくいとかという声も多いが、増税は実施されてしまったのだから、ここで踏ん張るしかないだろう。

悪い面ばかり論うのではなく、安倍首相の言うように、幼児教育無償化が始まることで、子育て世帯には楽になる面もある。少子化対策にもなりうる。
 

ラグビーワールドカップで景気活性化

またタイミング的にラグビーワールドカップが日本各地で開催されており、全国でインバウンドも含めて活気づいている地域もある。日本代表の大躍進で、増税した10月頭は、ちょうど優勝候補のアイルランドに勝ったという前向きな気分もあった。景気の気は気分の気であり、何らかのプラス要素はあるだろう。

例えば東京スタジアムのある調布駅前の最近の週末は、いつになく活気がある。このタイミングでの増税が良かったかとの議論の中でも、これは良かった点の一つである。
 

懸念すべきは支援が終わった後

懸念すべきは様々な支援が終わった時だ。住宅関連の措置は来年3月には終了する制度もあり、徐々に縮小する。6月にキャッシュレスポイント制度が終わり、東京五輪が終われば更に景気が停滞すると見られ、新築市場の冷え込みは必至だろう。

住宅への後押し策が再び投入される可能性はあるが、何もなければ確実に失速すると見られる。ストックへの市場シフトが加速するかもしれないし、事業維持できないビルダーが出てくる可能性もある。
 

消費増税後の新築市場

そして消費増税はこれで終了というわけではない。15%、20%への増税も必要とされている。その時には軽減税率が住宅に導入されるかもしれないが、住宅市場自体がその時どうなっているかも分からず、ストックが主役になっている可能性も否定できない。

消費税10%時代に言えることは、新築市場が確実に一段縮小するということ。どこまで市場を維持し続けるか。そして新築市場以外の事業の確立は必須項目である。(関)
 
■消費増税と支援制度終了、その後
消費増税と支援制度終了、その後

 
もっと月刊TACTの記事を読む

’19住宅メーカーの競争力分析