変革期の勝ち残り策、M&Aが過去最多

 

日本企業のM&Aの件数

2018年の日本企業が関係したM&Aの件数、買収総額が、共に過去最多になったという。レコフの調べによると、M&A件数は前年比26.2%増の3,850件、総額は2.2倍の29兆8,802億円。額が飛び抜けて増えたのは、武田薬品のシャイアー買収約6兆円等、大型買収案件が増えているためだという。

■日本企業が関わるM&Aが過去最多に
日本企業が関わるM&Aが過去最多に※レコフ(M&A サポート会社)調べ

 

M&Aや提携による明暗

住宅業界も市場環境は激変しているが、他業界はそれ以上の厳しい競争環境に置かれていると言えよう。特に大きな変革期を迎える自動車業界等は、世界を相手に勝ち残っていくには、M&Aや様々な提携等が欠かせない。日産・ルノー・三菱連合は、自動運転を巡る動きの中で、グーグル陣営に参画した。将来の明暗を分けることにもなりそうだ。

 

CASEの競争

自動車業界は今、CASEの競争を強いられているという。コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化の頭文字を取ってのCASEということだが、このことはそのまま似たような形で住宅業界にも当てはまって来る。コネクテッドや自動運転はIoT住宅やAIによって進化する住宅ということに当てはまるだろう。シェアリングも民泊、シェアハウス、タイムシェアスペース等、空間をシェアする動きで、電動化は住宅には欠かせないエネルギー関連、ZEHや蓄電池等の競争という点につながる。

■自動車業界の陣営づくり
自動車業界の陣営づくり※日経新聞より引用

 

住宅業界にも大きな動きに

サブスクリプションもそうだが、こういった世の中の流れは、住宅業界にもいずれ大きな動きとして訪れるのではないか。現状住宅では国内の同業他社の買収や、異業種による住宅会社の子会社化といったところが中心であるが、もっと大きな枠組みの中で陣営が築かれ、資本提携や業務提携が進んでいくかもしれない。あまり盛り上がってはいないが、民泊においてはエアビーアンドビー等、3大陣営が出来る等、住宅関連でもグループ化の一端を見せた。

 

海外企業への出資

日本企業が海外企業に対して1,000億円以上を出資するケースは、7割増の32件になったということだ。住宅業界でも海外企業買収は相次いでいる。大和、積水、住林、ミサワと、海外進出と拡大の足掛かりには現地法人を傘下に収めるという手法が一般的である。海外への販路拡大、国内でのシェア争い、次世代の住宅業界へ向けてのグループ化戦略と、この変革期においての勝ち残り策として、M&Aや資本提携はこれからますます重要な戦略となってきそうだ。(関)

 

もっと月刊TACTの記事を読む