検討初期客は“展示場来場”から“オンライン接客”へ?


 

「オンライン接客」の導入が増加

4月8日に発出された緊急事態宣言を受け、7都府県では住宅展示場も休止要請の対象となった。総合住宅展示場に出展しているモデルハウスや各社の単独展示場では、完全予約制でのみ来場を受け付ける等の対応がなされている。

従来行っていた各種イベントは自粛するというのが業界全体の流れであり、施主に完成見学会の協力も得られにくくなる。そもそも住宅購入の意欲が減退することも考えられ、しばらくは新規客の集客が激減することは間違いない。

それでも住宅の需要がまったく無くなるというわけではないだろう。動いている住宅検討客をいかに自社の見込み客とするか。このような状況で住宅業界においても「オンライン接客」の導入が増えていくと見られる。

すでに一部のビルダーでは導入されており、こうした対応の早さはハウスメーカーよりも小回りの利くビルダーが得意とするところだ。
 

「オンライン接客」のユーザーのメリット

コロナ環境下で、あらゆる業種で在宅勤務・テレワークが増え、オンライン会議を実施している企業も多いだろう。zoom等のオンライン会議用ソフトをインストールしているPC・スマホもずいぶん増えたのではないだろうか。

オンラインの画面を介してコミュニケーションを取ることはより一般的になっていくだろう。住宅会社の「オンライン接客」のユーザー側のメリットとしては、以下のようなことがあげられる。

・自宅にいながら非接触で家づくりの相談ができる
・同日に複数の多くの会社の接客を受けられる
・実際に会う前に、営業担当者の雰囲気がわかる

これまでも、住宅検討者は「展示場に行く前に必ずWEBで情報を調べている」というのが共通認識かと思われるが、この「情報収集」の時点で次の「相談」のステップまで進めることができるのが「オンライン接客」だ。
 

「オンライン接客」の進め方

「オンライン接客」は商談客のランクアップや、契約客との打ち合わせにも使えるが、集客に使うのであれば「オンライン“相談”」という形が良いだろう。
まずは自社ホームページのトップページやポータルサイトに「オンライン相談に対応しています」という文言を入れ、需要のある客層に対しアピールする。

そして資料請求や展示場来場予約と同じように、「オンライン相談」の申込フォームから予約を受ける。希望日と時間、メールアドレスと簡単な相談内容を記入してもらい、メールでオンライン相談の進め方(URLやアプリのインストール方法)を案内する。

ここからの実際の「オンライン相談」の進め方は、通常の初回接客と同様に、会社によってそれぞれ適した進め方があるだろう。
 

まとめ

展示場での集客が難しい、ユーザーも展示場に足を運びたがらないこのご時勢だからこそ「オンライン接客」が注目されているが、この事態が収束した後には、家づくりの初期行動のスタンダードになっている可能性はある。

「なんとなく総合展示場に来て各社を比較検討する」ことから「WEBで情報を集め、オンライン相談で候補会社を絞り込む」ことに、大きくシフトする転換期かもしれない。総合展示場の役割はこれまでとは異なるものになるだろう。
コロナ収束後に再び動き出す住宅需要を捕えるための準備は進めておくべきである。(布施

この記事の著者

布施 哲朗

2007年8月に住宅産業研究所へ入社。TACT編集部、マーケティング部を経て、2011年12月にTACTデスク、2018年11月にTACT編集長に就任。
同誌では、ビルダーを中心に全国各地の住宅会社へ直接取材を行い、最先端の商品戦略・営業戦略の情報を収集し記事を執筆、他媒体への記事提供も行う。一方で、建売住宅、リフォーム、海外市場など、多分野の調査資料を作成する他、受託調査、講演、セミナーも行っている。