厳しかった戸建請負市場も上向き傾向、消費増税後を見据え“富裕層”も強化する

戸建請負市場は商談客の様子見・長期化が常態化しており、相変わらず厳しい受注環境が続いています。しかし、大手住宅メーカー9社の直近8・9月受注では上向きの動きが感じられます。戸建請負に建売やアパートを加えた全体受注棟数伸率は前年同月比で8月6%増、9月7%増となり、5月以降5カ月連続で前年を上回りました。

 

部門別に見ると、アパートは引き続きローン引き締めやマイナス報道の影響が大きく、地方中心に苦戦するところが目立ちます。建売は優良物件の在庫の多寡や土地仕入のタイミングなどによってマダラ模様ながら比較的堅調に推移しています。そして、主力の戸建請負ですが、前年のハードルが低いため、力強い回復とまでは言えないものの、ようやく底打ちから上向き傾向にあり、全体受注を底上げしています。

 

戸建請負がやや上向きにある背景には、低金利+金利先高観測と地価上昇により、一次取得の土地絡み中心に、住宅ローン利用率が高い2,000~3,000万円台クラスの動きがやや持ち直してきたこと。また、株価上昇(乱高下を伴いますが)による資産効果や消費税10%を先取りした富裕層の動きが堅調であることが主な要因として挙げられます。

10月15日には、安倍首相による「19年10月から消費税10%」の正式表明がありました。まだ消費増税が100%決定したわけではありませんが、リーマンショック級のマイナス要因がなければ増税を実行するということです。但し、同時に住宅向けの増税対策も検討されており、これがボリュームゾーンの様子見・長期化要因になるとも考えられます。

 

一方で、経済的に余裕のある富裕層はもともと景気変動の影響が比較的小さく、既に増税を先取りした動きも一部で見られるなど堅調な需要が続いています。また、8%から10%の消費増税も富裕層にとっては余り影響がないと考えられ、増税後も堅調な動きが続くと予想されます。実際、住宅メーカー各社の富裕層の社内シェアもじりじり伸びる傾向にあります。(下表参照)つまり、今後の住宅市場のパイ縮小や消費増税による市場の変化に対応するためにも、富裕層は注力すべき有力ターゲットといえそうです。

 

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 ■請負本体5,000万円以上のシェア推移(上:グラフ 下:表)

請負本体5,000万円以上のシェア推移

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