東日本大震災の被災地の今を感じる

少し前の話になりますが、7月7日、8日に「ビルダー視察ツアー」を実施しました。
北は北海道、南は沖縄から、13社・21名にご参加いただき、1日目は山形のクリエイト礼文のモデルハウス等、2日目はポラスグループのポラテックのプレカット工場等を視察・見学しました。

ビルダー他社の成功事例を学ぶというのがこの企画の主な目的ですが、今回はポラスのご担当者にご案内いただき、東日本大震災の被害が大きかった名取市閖上地区を見学させていただきました。
仮設住宅にはまだ住まわれている方がいらっしゃって、震災時の様々なお話を伺いました。ご家族を亡くされた方、別々に暮らすようになった方もいらっしゃいますが、仮設住宅の中で新たなコミュニティが形成されていました。
名取市の沿岸近くには日和山という標高6.3mの小さな山があり、そこに登って津波被害のあった地域を俯瞰しました。震災の時は津波でこの山が丸ごと水に浸ったそうで、今でもその傷跡が残っていました。
最後に、仙台空港の近くで津波に巻き込まれて残った木造住宅を見学しました。周囲には他に残されている家は無く、1棟だけがぽつんと残っていました。海側の壁や床はほぼ損壊していましたが、柱や梁は少し傾いてはいてもしっかりと残っていました。

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被害の大きかった地域を見学させていただいたことで、自然災害の恐ろしさや、暮らしを守る住まいに対する考え方が深まりました。
今年4月に発生した熊本地震の被害も大きく、被災された方々、アフター・修繕等の対応をされている住宅会社様に、お見舞い申し上げます。(布施)

この記事の著者

布施 哲朗

2007年8月に住宅産業研究所へ入社。TACT編集部、マーケティング部を経て、2011年12月にTACTデスク、2018年11月にTACT編集長に就任。
同誌では、ビルダーを中心に全国各地の住宅会社へ直接取材を行い、最先端の商品戦略・営業戦略の情報を収集し記事を執筆、他媒体への記事提供も行う。一方で、建売住宅、リフォーム、海外市場など、多分野の調査資料を作成する他、受託調査、講演、セミナーも行っている。

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