東京五輪なき2020年夏の災禍と対策


 

コロナに打ち砕かれた五輪

本来ならば、今頃日本は大変な盛り上がりを見せていたはずである。東京五輪への期待と興奮で、気分も景気も高揚していただろう。
全てがコロナによって打ち砕かれ、1年先送りとなったわけだが、これから1年という時間も、五輪が開催可能なのかどうか、見極めながら過ごしていく日々となる。 
 

7月の豪雨災害

そしてコロナ禍の中、恐れていた自然災害が襲った。九州と中部地区の広範囲にかけて被害は甚大だ。
過去10年間の主な豪雨災害を拾い出してみると、ほぼ毎年のように7月には前線、または台風を伴った豪雨災害が起こっている。

記憶に新しいのは、2018年の西日本豪雨(平成30年7月豪雨)で、広島、岡山を中心に西日本の広い範囲に被害をもたらし、死者224名、住宅の全壊・半壊で17,500棟、浸水被害は3万棟以上に及んだ。 

7月以外にも、8月から10月にかけては台風が襲来することも多く、秋の被害では昨年の台風19号による東日本全域に及んだ被害が記憶される。
一瞬にして、多くの人命と財産を奪っていく豪雨や台風の被害は、AIやデジタル技術が進んだ世の中においても予測が難しいのだという。 

コロナ禍の中での猛暑と、自然災害という3重苦が、今年の夏、この先にも起こる可能性が十分にある。
更にコロナの影響で経済的な不安に怯える人も多いと見られ、改めて東京五輪で盛り上がったはずの2020年は、何重もの苦難を乗り越える厳しい夏になるかもしれない。 
 

自然災害における住宅業界の役割

自然災害対策は、防災の意味でも被災後の対応でも、住宅業界が果たす役割は極めて大きい。
環境配慮型
の住宅を提供することは当然のこととして、レジリエンス性の高い防災住宅を提供することも必須になりつつある。

またハザードマップによるリスク回避は、住む前から考えなければならない。立地の選別である。 
 

迅速な被災地対応と先手を打つリフォーム・メンテナンス

迅速な被災地対応は不可欠だ。昨年の千葉鋸南町での台風被害の後を見ると、未だに屋根にブルーシートが掛かっている住宅が多く、もっと何か手を差し伸べることができるのではないかと思う。

リフォーム業界では自然災害は、一定の特需を生むものの、喜べる需要でもなく、被災地での被災状況点検や補修等で施工や点検員といった人手が多く取られることから、業務的にはマイナスに働く面も大きい。 

被害の大小はあるが、自然がもたらす住宅破壊は毎年何度も繰り返されている。
先手を打って災害に備えるためのリフォーム・メンテナンス提案は、本格的な台風襲来の前に、コロナ下においても今すぐにでもやるべき重要な仕事である。(関)

■過去10年間の7月豪雨被害
過去10年間の7月豪雨被害