2018年はストック市場拡大に向けて大きく前進する制度がスタートした年であった。ストックビジネス本格化の元年と言っても良いだろう。
2018年のリフォーム・ストック業界10大ニュース
①安心R住宅制度がスタート、中古戸建流通本格化へ一歩前進
②宅建業法改正、売買時インスペクション説明義務化
③民泊新法が施行、法により規制が強まり市場は停滞
④首都圏中古マンション成約件数の新築上回りが持続
⑤フラット35 リノベ0.5%金利優遇で、4月より条件緩和
⑥所有者不明土地対策として、特措法が施行
⑦自然災害多発でエネルギーや防災の意識高まる
⑧リフォーム業界の販促、工程管理テクノロジー技術が進む
⑨ハウスメーカーリフォーム受注は後半回復基調へ
⑩大和ハウスリブネス等、グループ連携意識が高まる
2つの大きな制度がスタート
安心R住宅の制度
4月、2つの大きな制度がスタート。第一の柱、安心R住宅の制度が始まり、スムストック始め11月末では8つの団体が登録されている。安心できる既存戸建流通に、ようやく一歩前進した。
宅建業法改正
第二は、同じく4月より宅建業法改正でインスペクション説明が義務化された。一部では標準化して普及が進んでいると見られるが、まだまだ不動産業者主導で浸透には至っていない様子だ。
民泊新法が施行
6月には民泊新法が施行。半年が経過し、新法での民泊施設は1万件を超えたが、9月時点までの宿泊者数は70万人と規制により減少した。ストックを活かすシェアリングビジネスとしては期待が高いが、本格普及には制度整備が必要だろう。
新制度
新制度はまだこれからといったところだが、ストック流通の市場自体は底堅く推移していると見られる。首都圏の中古マンション成約戸数が新築マンション供給を上回る構造は定着した。メリットの多いフラット35リノベも金利は0.5%優遇で条件が緩和され、これも一つのリノベ促進にはなったと見られる。
特措法
空き家問題と共に、所有者不明土地問題が全国的にクローズアップされ、特措法も制定。九州とほぼ同じ面積の所有者不明土地は、このまま放置すると北海道並みに拡大するとも言われる。
全国に多発した自然災害も、被災地対応に力を尽くした年でもあり、またエネルギーや防災、断熱といった住宅性能への意識も高まった。
リフォーム業界ではテック技術も進歩し、VRや見積もり、工事管理等でテクノロジーが重視されるようになった。市場自体は多少受注が回復基調になったと見られ、ハウスメーカーのリフォーム受注も前年を上回る月が増えている。
グループ連携が強化
そしてこれからのストック市場活性化、更に拡大を見込んで、各社のストック分野でのグループ連携が強化され始めた。大和ハウスリブネスが昨年1月にスタートしたが、パナソニック、三井不、ヤマダといった大手がグループを再編し、ストック事業強化に動く。今年は消費増税の年、リフォームはローン減税延長の効果も薄く、駆け込みも新築に比べ長期になるだろう。
また次世代住宅ポイントの後押しは増税後大きい。気の抜けない勝負の年であることには違いない。 (関)
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