世界規模で「第4次産業革命」と呼ばれるIoT、ビッグデータ、ロボット、AI(人工知能)といった技術革新が進んでいます。日本政府でもこれをリードすることで、大胆に社会システムを改変し、ジリ貧になりつつある日本経済に新たな価値を創出しようとしているようです。その一つがIoT(モノのインターネット化)で、スマホの普及に伴い世界的にIoTデバイスの数は大きく増加しており、商材としてのIoT住宅に限らず、我々の仕事環境や生活は大きな変革の途中だと言えます。
日本でも、つい先日Googleが対話型AIスピーカー「グーグルホーム」日本語版の販売を開始しました。ポイントはスピーカーなのに、グーグル“ホーム”という名称が付けられている点です。住宅メーカーや設備機器メーカー各社では、これまでHEMSや共通の通信規格ECHONET Liteを通じた住宅のIT化を目指してきましたが、グーグルなどのIT企業とは発想やスピード感といった点で隔世の感があります。今のところHEMSは電力制御→住宅のスマート化を目指すための設備の一つではありますが、必ずしも今後のIoT住宅実現の為のマストアイテムとはならないかもしれません。
またSNSアプリでおなじみのLINEの「ウェーブ」も1万4000円で発売され、追従するように他社からも様々な機器が発売されています。価格は1万円台からが主流で、最新のAI機器の割には手頃な価格も特徴となっています。AIスピーカーで先行しているアメリカでは既に2,500万人の利用者がいるようです。
住宅メーカーとしては、大和ハウスがグーグルホームを活用して、家電や住宅設備をインターネットでつなげる住宅「ダイワハウスコネクト」をスタートしました。住宅展示場を使って各種の実証実験が行われるようで、2018年1月より戸建住宅での提案を開始するということです。
ただし、前述したようにAIスピーカーのグーグルホームは一般向けにも販売されているものです。住宅メーカーとして培ってきた研究や経験といったものを通じて、IT企業では確かめようのないサービスを提案できるかに差別化のカギになってくると思われます。個人的には、一人暮らし(アパート)、高齢者、といった方向性に活路がある気がします。(関・和)
■ダイワハウスコネクト 「つなげる仕組み」のイメージ