原油高で強まる住宅価格の上昇圧力
住宅価格の高騰が、別次元で再燃している。資源に乏しい日本はあらゆる産業において輸入に頼らざるを得ないことは周知の通りで、円安が輸入物価インフレを招く。2021~22年のウッドショックは、住宅業界に大きな影響を与えた。国産材の活用が進む方向ではあるものの、木材を大量に使う日本の住宅業界は、輸入材に頼っている部分が大きい。木材価格高騰による企業収益への影響は大きかった。
今回は原油価格の高騰である。ウクライナ戦争の勃発時にも原油高となり、経済に大きな影響を与えたが、今回のイラン紛争の影響は産油国全体に及ぶ。情勢の先行きは依然不透明だ。事実、日本が輸入するサウジ産原油の3月出荷分の価格は前月比で8割上昇したという。原油高騰の影響は即座にガソリン価格に反映されるが、それだけに留まらず、最終的にはあらゆる商品、サービスに至るまでインフレ圧力が掛かる。中でも住宅は木材、鉄、コンクリート、ガラス等、多くの部資材の複合体である。原油高の影響は住宅1棟を建築する上で、あらゆるものに波及してくるため、紛争が長期化すればこれまで以上に価格上昇圧力が強まる。
コスト高+金利上昇で住宅業界に向かい風
第一に現れる影響は、輸送コスト。燃料費が上がり、輸送費用が上昇する。2024年問題による物流業者の時間外労働規制で、既に物流費用は上昇局面にある中、燃料費上昇が拍車を掛ける。
第二は石油を原材料とする建築資材の値上がり。石油系の原材料費が上がれば、断熱材、塩ビ管、サッシ、ビニールクロス、塗料や接着剤等の住宅資材価格は全般的に上昇へ向かう。
第三はエネルギー価格上昇による製造コスト。火力発電等による電気やガスの価格も上昇し、あらゆるモノの製造に必要なエネルギーの価格が上がれば、住宅価格にも静かに効いてくる。
また地政学リスクの影響は、為替、株価、債券等、金融関連のボラティリティを高くし、より一層先行き不透明感が増していく。
金利上昇にも影響が出た。債券が売られ、日本の長期金利が4月に2.4%超に上がった。フラット35の4月の最低金利は2.49%と、3月から0.24pt上昇。現行制度で過去最高の金利と、前月比上昇幅を更新した。住宅価格と金利の上昇、中東からの厳しい向かい風が吹く新年度のスタートだ。
■原油高でインフレ再燃、住宅価格は上がる一方…

