長期金利3%と株価7万円の新常識

ナフサショックが揺さぶる住宅業界

 2026年度前半を振り返ると、大きな動きや変化がいくつもあった。第一に、中東情勢悪化の影響を受けたナフサショック。住宅業界では、塗料や断熱材、住宅設備といったあらゆる部資材の生産・流通目詰まりと価格上昇懸念により、工事が止まる等の影響も出た。納品遅延はあったものの、全くモノが入ってこないという危機的な状況には陥らずには済んだが、資材価格には大きな影響を与えた。今後もナフサ由来の製品の価格変動は予断を許さないだろう。
 

金利と株価の新局面

 第二は、日銀利上げと長期金利の急上昇。日銀の政策金利は利上げの方向性は示されてきたわけだが、6月と9月、半年間に2回、計0.5%の利上げに踏み切ったことになる。現在の政策金利は31年ぶりの高水準である1.25%程度となり、住宅ローン変動金利上昇が着実に進んでいる。また長期金利の上がり方も急ピッチである。9月には長期金利の代表的指標、10年物国債利回りが30年ぶりに3%を超え、3%台が定着してきた。これを受け長期固定の住宅ローン金利はものすごい勢いで上昇しており、昨年までは2%を割っていたフラット35の最低金利は、半年前の4月に2.49%、10月は3.83%まで上昇している。
 第三は、日経平均株価が7万円台まで上昇。1年前についに5万円を超えたと思ったら、今年は更にペースを速め、6月には一気に7万円を突破した。富裕層消費にはプラス影響はあったと見られ、この半年間で最も前向きになれる指標である。但しAI・半導体銘柄の牽引が大きく、市況や金利上昇の影響を受けて不動産や住宅・建設の株価は軟調だ。
 第四は、実質賃金はプラス圏を推移。継続的に賃上げは推進してきたものの、昨年までは物価上昇に追いつかなかったが、今年に入ってからは8ヶ月連続で実質金利はプラス。但し政府のガソリン・光熱費の支援もあって消費者物価が押し下げられてきた影響は大きく、円安・原油高の影響はまだこれから物価に反映されてくるはずである。
低金利時代からの転換にどう対応するか
経済全体にとっては、物価も金利も株価も賃金も上昇し、正常化へ向かっていると言えるが、住宅業界にとっては市場環境は厳しさを増している。この数年インフレに慣れ、次は金利に順応する必要がある。低金利に支えられてきた住宅・不動産業界は、この新常識の中で成長していくしかない。

■2026年以降、より強まった「上がる」新常識
コラム図
 

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