緊急事態宣言の中で価値観が一変する


 

非常事態からの復旧は手探り

コロナとの闘いは長丁場になる覚悟がいるという。日本が欧米と同じような危機まで現時点で至っていないことは、国民の努力があってこそだが、それでもまだ安心できる世の中が戻って来たとはとても言えない。
経済活動は止まったままというところが多く、いつ日常を取り戻すのかは全く見えない。

これほど刻一刻と情勢が変わっていく時代を知らない。1週間前の話すら通用しない時代遅れのものだ。住宅業界では2月中旬から設備の納品遅延から始まり、イベント自粛、対面営業活動の停止、出社 停止、施工現場の工事停止、4月は住宅の供給体制 がフリーズしてしまった。

この状態も少しずつ解除していく必要があるが、元に戻していくタイミングやその方法も手探りとなるだろう。事業継続が出来ないところも多く出て来そうで、業態によって差はあるが、特に中小企業へのダメージは甚大である。
 

しばらくは着工激減か

3月の住宅着工は前年を大きく下回ることはなかったが、緊急事態宣言下で外出自粛要請が強まった4月以降は状況がまた異なる。

インバウンドが3月は93%減とほぼ消滅したように、住宅着工も4月、5月の受注大幅減を反映してしばらくは激減の状況が訪れそうで、つまり2020年度はスタートから今まで見たことのない数値を覚悟しておく必要がありそうだ。

リーマン危機を超える衝撃と考えれば75万戸程度までは落ちてもおかしくなく、最悪期が長引けば、一時的に60万戸の時代が10年前倒しで来るかもしれない。
 

先端技術で変わる価値観

さてここを乗り越えていくにはあらゆる常識の切り替えが必要だ。営業活動も現場管理もオンラインで行うことが不可欠になる。幸いにしてVRや5Gの時代に移っており、技術的には可能になっている。

あとはこの精度をどう高めていくか、またそのスタイルに如何に慣れていくかということだろう。今は人が移動しない、人には直接会わないということがプラスに評価される。

価値観は一変した。対面に比べて意思の疎通は難しいものの、移動時間の短縮や時間の有効活用等、効率化できる面もある。働き方も暮らし方も変わっていくだろう。

人とは直接会って話したいというオンラインへの抵抗もある。これは当然の欲求であるし、そう思う人が大半であるだろう。それでももう時代は変わってしまったのかもしれない。

技術の進歩と、コロナ禍の生きにくさの中でも生き抜こうという力が、常識や価値観を一変させる。これが時代の移り変わりということなのだろう。(関)

■技術革新と生きにくい時代で価値観が一変する
技術革新と生きにくい時代で価値観が一変する