激動の時代、幕末維新と住宅業界

 今から150年前、1867年の今頃は、江戸から明治へと移り行く、日本史上でも最も政治が激しく動いた動乱期である。10月14日には大政奉還、今号が発刊される11月15日は、京都近江屋で坂本龍馬が暗殺された日だ(旧暦慶応3年11月15日)。

 今年も、もしも先月の総選挙で自民党が負けていたら、明治維新のように時代が大きく変わっていく年になったのかもしれない。そこまでの政変は杞憂に終わったが、経済界では明暗ともに大きな変化が起こっている。いわゆる新旧交代のような動き、旧体制の崩壊が一つだ。 東芝が債務超過に陥って空中分解し、神戸製鋼所は品質データ不正による不良品生産、日産自動車も無資格検査体制が横行していたという。鉄、電機、車、日本経済を支えてきた大企業だ。品質におけるデータ改ざん問題は今年に限ったことではないが、やはり企業というものは、大きくなれば何か間違ったものも積み重なっていくものらしい。一部ではあろうが、日本の大企業の病巣は深い。
 一方で、過去最長の16日連騰を続けた日本企業の株価上昇は著しい。企業業績も極めて良い。多くの内部留保を抱え、保守的な経営をしながらも、企業は成長し、収益力を高め、外国人から見た日本企業の株価はまだ割安なのだという。

 日経平均株価は 22,000 円の大台を超えた。
 住宅業界の大手企業も、業績は概ね好調で、17  年度も半期が締まったが、過去最高業績というところもある。ただ業界の勢力図は、水面下では激しく動いている。言うなれば、旧体制とも言えるハウスメーカーは、新築戸建市場においての数における 影響力が低下してきている。江戸末期にはまだ圧倒的な力を持っていたはずの徳川幕府であっても、各地で群雄割拠する諸藩が薩長同盟を経て体制を覆したように、住宅業界で絶対的な主導権を握るハウスメーカーを、ビルダーが脅かしつつある。
 そして新築市場から見れば、外部勢力のような 業界の動きもある。現状は海外からやってくる黒 船企業は存在しないが、新築市場に対してのストッ ク市場や、販売におけるウェブ勢力というのが、黒 船に当たるのかもしれない。確実に迫りくるストッ ク市場に立ち向かうのか、または共存するのか。

 今の住宅業界は、幕末動乱期に近いような大き な動きが起こっているようにも見える。戸建では ビルダー優位ながら、住林=熊谷組の資本提携な ど大手も多分野において活路を開く。次世代への生き残りのカギは、何処と組むか、何を新兵器と するのか、時代を動かすものは何かということを いち早く嗅ぎ付けることなのかもしれない。(関)