市場環境転換期の「選択と集中」

金利上昇とコスト高騰、市場環境が大転換

 長期金利が9月、一時3.0%を超え、96年9月以来、30年ぶりの水準に達した。この長期金利上昇は同時に住宅市場環境にも大きな影響を及ぼす。今年に入ってからフラット35の最低金利は2%を超え、その後も急上昇を続けて、9月の最低金利は3.46%まで上昇した。一方で日銀の早期利上げ期待が高まっており、9月にも政策金利が1.25%に引き上げられるとの見方が濃厚で、ゆくゆくは2%近辺までの引き上げも視野に入る。利上げは変動金利の上昇につながるため、固定、変動共に住宅ローン金利は上昇していく方向にある。
 今年に限ったことではないが、金融や経済の動向により、住宅市況が大きく揺さぶられる出来事が多い。ナフサショックが建築コストの高騰に拍車をかけ、人手不足や人口減少が従来の事業運営を困難にさせる。市場環境が大きな転換期を迎えていることは間違いない。
 
■市場環境が転換期を迎える
コラム図

大和ハウス、事業再編で成長領域へ集中

 大和ハウスは、そんな市場環境の変化に対応し、持続的な成長と企業価値の向上を目指すため、大胆な事業体制の再編・強化を実施すると発表した。新築戸建住宅事業では展開エリアを最適化する一方、住宅ストック事業は全国展開をし、機能統合による事業強化を図る。
 再編の第一は、エリア縮小・集約と人員の再配置。新築戸建事業では、全国の半分である23道県から撤退する。エリアごとの着工数や価格競争力などの分析から展開エリアを最適化し、東京や大阪など成長が見込める22都府県(14支社・支店)へ経営資源を集中させる。撤退する拠点の営業スタッフ約200人を再配置し、東京や大阪などの都市部の人員を倍増させるという。
 第二は、高価格帯への特化。営業集約エリアでは、規格住宅を除く注文住宅の最低受注価格を5,000万円以上に引き上げ、1億円以上の高額物件の販売数の倍増(約200→400戸)を目指す。地域特性に基づく商品開発、デザインコード導入でブランド価値向上を図り、高付加価値提案を実現する方針だ。
 第三は、ストック事業の再編と強化。アフターサービスなどの住宅ストック事業は全国で継続、グループ体制を再編する。戸建と賃貸、それぞれの既存のリフォーム会社に、不動産流通事業、お客様相談室等を統合して新会社を設立する。
 事業大再編と言えるが、この流れは業界全体に広がるであろう。市場の変化に合わせた供給体制、事業ポートフォリオを考えていく時だ。
 
■大和ハウスの事業再編と強化
コラム図

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