「好循環」ビジネスモデルを目指す

自立型経済に見る「好循環」の重要性

 「好循環」は、事業を行う上で極めて重要な概念である。「賃金と物価の好循環」は、賃金上昇率が物価上昇率を上回ることで実質賃金がプラスとなり、経済の好循環につながるという考え方だ。また地域経済の好循環を測る指標として、地域経済循環率という考え方も、昨今注目されている。お金の循環を意識した地域づくりということであるが、生産による稼ぎと分配のバランスがとれた状態が、自立度が高い好循環型の地域経済とされ、物価上昇など外的ショックに比較的強い。バランス自立型の都道府県は、上位から三重、徳島、栃木、滋賀、静岡、大分と並ぶ(出典:環境省、価値総合研究所)。激動する昨今の世界情勢に影響されにくい、自立した地産地消型の経済のあり方が必要になっているのかもしれない。
 

フローとストックを回す住宅事業

 住宅業界でも循環型ビジネスモデルが求められており、フロー(新築)とストック(管理・修繕、流通)の両輪がうまく回っていくことで顧客との長期的な関係が生まれ、収益向上につながっていく。これは顧客生涯価値(LTV)の最大化にも通じる考え方だが、同時に建物そのものが循環していく建物LTVの最大化と言うことも出来る。例えば、大和ハウスがリブネス事業で掲げているキャッチフレーズは、「建物は甦り、再び活躍する」。大切に住み継がれてきた住まいを、次のオーナーへバトンタッチしていく住まいの循環を目指す。
 優良な建物をつくり、適切なメンテナンスや暮らし改善の提案を行いながら、建物の資産価値を維持し、更に付加価値をつけ、アップサイクルして優良物件として再販していくという好循環は、住宅会社が目指すべき循環型バリューチェーンの事業サイクルである。またリブネスタウンプロジェクトのように、街そのものを「再耕」したり、ビズリブネスのように大型の建物を再生することは、地域のにぎわいを創出することにもつながる。

 
■循環型バリューチェーンモデル
コラム図

地域密着が生み出す好循環バリューチェーン

 住宅会社は地域に密着することで、この顧客生涯価値を最大化することにつながりやすい。優良な建物の資産価値を長期に亘って維持する。直接売上につながらないことであっても、地域のためにプラスになることに力を尽くす。それが地域を活性化させ、街のブランド価値が高まり、結果的にそこで住宅を供給する自社にも恩恵をもたらす。この好循環バリューチェーンの創出こそが、住宅会社の重要な役割である。

■地域密着・地域貢献によるバリューチェーン
コラム図

 

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