平日終業後のユーザー向けセミナー

昨日、とある企業グループからの依頼で、ある東京丸の内にある大企業グループ社員向けの住宅セミナーを行ってきました。通常私たちが行っている、住宅事業者や住宅関連事業者向けではなく、簡単に言えば「家の買い方セミナー」のような感じです。平日の終業後に開催されるセミナーで、真剣なケースは新幹線で駆けつけたケースもあるなど、集客が厳しくなってきたと聞く昨今ですが、濃いお客様はいるところにはいるなぁと感じたのが素直な印象でした。

確かに集客が厳しくなってきているのは事実と思います。但しそれは住宅展示場での待ちの営業の場合での話。もちろん総展にも回遊客はいますので、来場した顧客を全員入店させるといった準備は大事で、旭化成や一条など、今でも総展一本足打法で十分な実績を積み上げているケースもあります。

とはいえ、来店客の平均見学(入店)件数も減ってきているという声も多く、どうも先を見た場合、その他の集客ルートを開拓するのは当然の流れで、法人提携先への入り込みなどはその内の一つと思います。

今回セミナーを実施してたまたま気付いたのは、女性正社員比率の高い企業は攻めるべきということ。というのも、確率的に考えれば、夫婦共働きが多いということで、仮に土地なし客であったとしても、所得合算をすれば十分大手のストライクゾーンにはまるはずだと思うからです。

また全国展開している大企業であれば、そこの社員には転勤が多いといったケースもあると思います。その場合、住宅を取得したものの転勤でその建物を貸すことが発生したり、意外に転勤先が気に入ったり、子供の進学の関係などで別の場所で住宅を取得し直すといったケースも良く聞きます。つまり、転勤の多い大企業社員になるほど、将来的に住宅の売却が絡む可能性が高いということで、彼らにこそ今年大手メーカーが声高々に訴求するであろう、将来の資産価値が持続する家づくり=スムストックという切り口がハマるのではと思います。

首都圏や近畿のほか、地方都市部であれば、これらの企業が集積している場所は決まっていると思われ、仮に提携先法人でなくとも、その集積エリアでの平日終業後セミナーなどはアリかもしれません。(清水)

この記事の著者

清水 直人

住友林業(株)での8年間の営業現場経験の後、2001年3月に住宅産業研究所へ入社。現場営業マンや各地のメーカー・ビルダーへの直接取材を行い、時代にあった住宅販売戦術を分析。それらの分析情報をもとに研修・講演業務を実施している。
一方で月刊TACTなどへの執筆活動も実施。最近はアパート市場の販売分析にも注力し、専業会社他でも研修を行っている。

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