中古仲介とリフォームをいかに連携するか

 

今年4月から安心R住宅制度が始まり、宅建業法の改正で不動産売買時のインスペクションが本格化すると見られる。中古住宅の流通は住宅産業において国が推し進めている大きなテーマであり、ハウスメーカー、ビルダーもその潮流を捉えて事業の拡大につなげたい。

中古住宅購入時にはリフォーム需要が期待できる。しかしながら、これまで不動産仲介とリフォームは上手く噛み合ってこなかった。不動産仲介業としては、エンドユーザーの予算の上限に合わせた物件を勧めて仲介手数料を多く取りたい、物件を早く流して回転率を高めたいというビジネスモデルであり、仲介にリフォーム提案を絡めて商談が長期化するようなことは敬遠する。

不動産仲介とリフォームは、会社間の提携という形では上手くマッチングされにくく、社内やグループ内で連携させる形のほうが望ましい。大手住宅会社やマンションデベでは、グループ内に不動産とリフォームの機能を持ち、相互に送客・紹介するような連携を図っている。ただしグループ各社はあくまで縦割りの組織であり、表面的には手をつないでいても、実際は上手く機能していないというケースは多いのではないだろうか。

大和ハウスでは既存住宅の売買仲介、買取再販、リノベーション・リフォームなどの住宅ストック事業を強化するため、今年1月にグループ7社でストック事業の新ブランド「Livness」を立ち上げた。各社の不動産物件情報を閲覧できるウェブサイトを開設し、今年1月時点で全国40ヶ所の売買仲介の拠点を、2025年までに100ヶ所に拡大する計画だ。自社の新築OB客の売却依頼の捕捉率を高めることで、中古住宅の買取再販や仲介に伴うリフォームの拡大を図る。

ビルダーでも不動産仲介部門を内製化したり、組織を改編して、中古リノベに本格参入するような動きが増えてきた。土屋ホームグループでは不動産事業を新築の土屋ホームから分社化し、決裁のスピードを早めるのと同時に、リフォームの土屋ホームトピアとの連携を強化する。ビルダーは大手ハウスメーカーやマンションデベと比べると組織の規模が小さい分、意外に上手く舵を切れるかもしれない。

逆に不動産仲介からリフォーム業に参入し、新しいビジネスモデルで事業を拡大している会社としては、北海道のスミタスグループ、愛知の不動産SHOPナカジツが注目される。両社の取組については、4月発刊の『TACTリフォーム』18年春号で取り上げる。

布施哲朗