
ストック事業の収益力が高まる
インフレ下では、ストック事業の重要性が増してくる。大手ハウスメーカーのストック事業は着実に成長し、グループの中での収益貢献度も高まっている。従来から注力してきた大手ハウスメーカー10社によるスムストックの成約件数は、2,579件と前年から14%伸ばした(26年6月期)。10社のストック年間推定流通件数11,280件のうち、22.9%がスムストックで流通したこととなる。優良な住宅ストックが流通する仕組みが定着しつつある。
■スムストック成約件数の推移

分業化でリフォームを高度化~積水ハウス
昨今、ハウスメーカーではストック事業を強化するための組織再編の動きが目立っている。積水ハウスは少額工事を分業化し、高価格帯の提案型リフォーム強化がうまく成果を上げ始めている。まず従来のカスタマーズセンターを独立させ、2025年2月に積水ハウスサポートプラス社を分社設立。従来のオーナーに対するアフターメンテナンスに加えて、積水ハウスリフォームから少額の設備交換リフォーム等が移管された。少額工事を分離することで、積水ハウスリフォームは技術を要する提案型の大型リノベをより強化。分業化が奏功し、今期500万円以上の工事が金額ベースで6割超に上昇し、26年ⅡQ時には1,000万円以上のリノベ受注額を前年比11%伸ばした。サポートプラス社も設備工事譲受により受注額は前年比80%増と急伸させている。
住宅ストック事業を大再編~大和ハウス
大和ハウスは住宅事業を大再編する。27年4月より、新築戸建住宅のエリア撤退や高価格帯シフトという新築戸建事業の最適化を図ると共に、拡大が見込まれるストック事業部門を拡充させる。顧客満足度を高め、持続的な成長を目指すため、戸建住宅、賃貸住宅それぞれのオーナー窓口を一本化し、より迅速で的確なサービスを提供する。今回の住宅ストック事業再編では、戸建住宅事業に関する機能を大和ハウスリフォームに集約し、「大和ハウスパートナーズ株式会社」と商号変更。賃貸住宅は大和ハウス賃貸リフォームに集約して、「D-ROOMパートナーズ株式会社」に変更する。また大和ハウスリアルエステートは賃貸管理事業を大和リビングに分割後、大和ハウスリフォームに合併する。
カギとなるのは、リフォームと不動産流通が同一会社になることでの連携強化。新築事業の最適化とストック事業強化への再編は、将来を見据えた新しい事業再編の見本となるかもしれない。
■大和ハウスのストック事業再編

