労働力だけではない、100万人を超える外国人労働者の可能性

住宅業界では他業界に比べ働き方改革や人材確保という意味では少々出遅れております。
大手メーカーをはじめとして、様々な試みを実施しているものの実を結ぶにはまだ多少時間が必要かと思います。

人材確保をするための方法の一つに技能実習生の受け入れがあります。他業界にはなりますが、実習生を必要としている業界が介護業界です。政府レベルではベトナムとの連携強化によって、1万人の受け入れを目指しており、民間レベルでは学研など主要5社が合計300人以上の実習生を受け入れる方針を固めるなど官民が問題意識を共有し、労働力不足を解消しようとしております。
住宅業界での動きとしては、以前よりアキュラホームやビルダーでは京都のエルハウジングなどが実習生を積極的に受け入れております。7月にはレオパレス21でベトナム実習生8名を直接雇用、協力工務店へ配属するなど業界でも徐々に取り組みが進みつつあります。

現行の実習生制度は基本的には3年間の実習期間で帰国しなければなりません。しかし、建設業界に限っては2020年のオリンピックを見据え、3年の実習終了後も「建設就労者」という肩書で2年~3年間働く事が可能となっております(年数は帰国期間によって異なる)。但し、これはオリンピックまでの暫時的な制度のため、オリンピックに関わる建設ラッシュが沈静化すれば、終了すると言われております。
政府としては今後建設業界だけではなく、他業界でも継続的に労働力を確保するため昨年11月に関連法案が可決、従来の3年間に+2年の実習期間を加えた新制度が今年11月には施行される予定となっています。
厚生労働省によると、外国人労働者数は昨年10月末時点で初めて100万人の大台を突破し、11月から新制度が開始されれば更に外国人労働人口は増加するでしょう。
これは単に労働力が100万人増加するというだけではなく、彼らが日本で暮らし、結婚し子供を産めば、自然と住宅需要回復のための一助にもなってきます。いわば100万人の潜在的な消費者であるとも言えます。実際私自身前職で建設就労者の実習生と関わっておりましたが、永住希望者が何人もいたことを記憶しております。

日本の人口が増える見込みは今のところなく、住宅を必要とする人も自然と減少していきます。そんな「椅子取りゲーム」で勝ち残ることももちろん大事ですが、「椅子を増やす」という発想も長いスパンで見ると必要となってきているのかもしれません。(石田)

■技能実習制度概要
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