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2017-9-29
住宅会社のIT・WEB戦略

パナホームが日本初マイクログリッド分譲地開発に着手

article by :株式会社住宅産業研究所
 

 先日、パナホームが兵庫県芦屋市で展開するマイクログリッドシステムを使った街並みを拝見させていただく機会がありました。マイクログリッドとして開発されるのは、兵庫県芦屋市の海側の分譲地「そらしま」の一角(117戸の街区)で、同分譲地自体は2012年より分譲がスタートしており、同分譲地内の3棟で構成されるマートマンション(全戸に燃料電池装備)は全83戸が完売。17年10月より着手する117戸のマイクログリッドによる街区が最終となる予定です。

 兵庫県芦屋市は、1995年の阪神・淡路大震災で大きな被害を受けた地域の一つです。ただし既に20年以上が経過しており、これから住宅を購入するユーザーに「大震災時の体験をベースに」という考え方をする人がどれだけいるかは不明な部分もあります。

 いざという時の備えはもちろん必要ですが、これから住宅を購入しようという客が気になるのは「結局、いくら得するの?」「どんなメリットがあるの?」という事でしょう。同分譲地では、マイクログリッドを構築することで、
 ・太陽光発電の域内自給率が80%以上
 ・蓄電池制御などにより電力料金(外部買電力)を20%低減
といったメリットをアピールしています。同街区は太陽電池で発電した電力を各戸に装備される蓄電池に貯めて、電力を街全体で自給することができるというもので、自給率は80%となっています。これは、災害時にも無駄遣いさえしなければ自活ができるといったレベルだと考えられます。

 また外部から買ってくる20%の電力についても、自営線(電線)の敷設と特定供給のスキームにより柔軟な電気料金設が可能で、電気料金の20%程度の削減が可能だという事です。一般的に、電力会社の線を使って電力のやり取りをすれば、それだけで8円/KW程度のコストが掛かってくるということですが、同街区に張り巡らされる「自営線」を活用することで、コスト低減を図るといった考え方になっています。太陽光発電等を搭載していない一般的な住宅で使う電気代を100%とすれば、同分譲地の場合16%の電気代で済むというイメージです。

 とはいえ、同事業は「平成29年度地域の特性を活かしたエネルギーの地産地消促進事業補助金」が活用されるものであり、マイクログリッドを備えた街(分譲地)が一般化するのは、まだこれからといった感じもあります。特に、電気を貯める蓄電池の価格がもっと下がらなければ難しいと思われます。いずれにせよ、こういった新しい技術が本格普及するまでの過程では、「実証実験 → 実装+販売 → 低価格化 → 普及」というステップを踏む必要があります。実証実験ではなく、実際に販売される分譲地でマイクログリッドを実現させるという意味で、パナホームの取組みは住宅業界にとっても大きなものと言えそうです。(関・和)

■特定供給・自営線のイメージ
パナホームマイクログリッド.jpg


IT・WEB
ハウスメーカー関連

2017-9-25
好調ビルダーの商品・営業戦略

ジャーブネット「ビルダー経営塾」卒業生の受注1.8倍

article by :株式会社住宅産業研究所
 

 ここ数年の住宅着工戸数の伸びは貸家が牽引し、積水、大和等の大手ハウスメーカーの事業戦略は、戸建よりもアパートに比重を置いている傾向にあります。住宅着工に占める業態別シェアを持家に限って見ると、メーカーが約30%、ビルダーが約35%とビルダー勢力が優勢になっています。
 ここで忘れてはならないのが中小工務店の存在です。住宅業界は地場産業であり、住宅を供給する業者数の内訳で見れば工務店の数は圧倒的に多く、工務店の持家着工棟数をすべて足すとハウスメーカーを上回ります。ただし、今後は中小工務店の淘汰は一層進むと見て良いでしょう。住宅市場が縮小に向かえば、商品開発やマーケティング、ブランディングに長けるメーカーや大手ビルダーによる市場の寡占化が進み、工務店にとっては厳しくなります。経営者が引退するタイミングで休廃業という道を選ぶ工務店も少なくないでしょう。

 アキュラホームが運営するVCのジャーブネットでは、工務店の経営力を高めるため、2011年から「永代ビルダー塾」を実施しています。入塾した工務店は最初に3年後の経営計画を立て、それに基づいて事業計画書を作成し、3年間で様々な研修プログラムを受講します。講師はアキュラホームの宮沢社長の他、経営力の高いジャーブネット会員や、「永代ビルダー塾」を卒業して質の高い経営を続けているビルダーの社長が務めます。これまでに9期生までがカリキュラムを終え、卒業した60社の受注棟数は3年間で1.8倍となっているそうで、確実に成果を出している研修制度と言えます。

 今後の事業戦略を考える上で、こうしたビルダーネットワークやFCのノウハウを得たいというビルダー・工務店は少なくないのではないでしょうか。住宅FC・VCの情報をまとめた資料を、10月に発刊する予定です。FCへの入会を考えているビルダー、競合対策をしたいFC本部にお役立ていただける資料になればと思っております。(布施)


ビルダー関連
営業スキル・イベント

2017-9-22
マーケットレポート

8月受注▲2%、10カ月連続減、重い動き続くが“底打ち”の兆しも

article by :株式会社住宅産業研究所
 

 大手住宅メーカー10社の8月受注は10社合計で▲2%、11カ月連続のマイナス受注となりました。部門別に全体傾向は、
・戸建請負【苦戦】
・戸建分譲【比較的堅調】
・アパート【好調持続も勢い鈍化】
という状況にあり、7月迄の重い動き、厳しい受注環境が続いています。

 特に、主力の戸建請負は後押し材料不足で決め手に欠き、長期化・様子見が常態化しています。戸建分譲は低金利を背景に若年層一次取得者中心に比較的堅調な動きが見られますが、土地政策による在庫状況や優良物件の多寡で堅調なところとやや苦戦のところがまだら模様の状況に変化はありません。また、これまで全体受注を牽引していたアパートは前年までのハードルが高くまだ好調といえますが、空室問題や過剰融資の報道、地方中心にアパート融資の審査が厳しいなどマイナス材料もあり、慎重なオーナーが増えるなど勢いは鈍化傾向にあります。

 但し、大手10社の全体受注伸率は4月の▲8%を底に、5月▲5%⇒6月▲5%⇒7月▲4%⇒8月▲2%とマイナス幅は縮小傾向にあり、【底打ちの兆し】も感じられます。後押し材料不足、長期化・様子見の常態化に加え、北朝鮮リスクなど不安要因も重なる厳しい市場環境の中で、“予想以上によく頑張っている”と評価することもできそうです。
このような背景には、住宅ローン利用者にとって史上最高水準の低金利がやはり後押し材料であること、先行指標の集客が新春以降堅調に推移していることが主な要因と考えられます。集客の中身も具体客が目立つなど比較的濃く、来場・商談・契約見込み客数ともそこそこの水準は確保できているようです。

 では今後、受注がどのように推移するのか?というと、正直、読めない部分が多く、不透明ということになります。それでも、先行指標の集客は8月まで堅調に推移しています。足元の株価も上昇傾向にあり9月21日には年初来高値の2万400円台を付けるなど好調です。ドル円も112円台と円安傾向にあり市況は追い風といえそうです。北朝鮮リスク、衆院解散総選挙と不安材料や波乱材料含みで決して楽観することはできませんが、それでも中身の濃い住宅計画者が確実に動いています。積極的な仕掛けの展開、自社の特徴訴求、中長期客を含めた丁寧なフォローなど、今できることを徹底し、一件でも多くの受注に結び付けたいものです。(岩澤)


ハウスメーカー関連
市場

2017-9-15
元営業マンの感じた事

見た目で判断する危険性

article by :株式会社住宅産業研究所
 

 先日友人が展示場に行った時の話です。その友人は10月に結婚が決まっており真剣に住宅購入を検討しているのですが、特に服装に興味が無いということもあって、短パン、Tシャツで展示場に行きました。その日は4社の住宅メーカーに行ったそうですが、その内3社の営業マンの対応があまり良くなかったそうです。その理由が友人の服装を見て良くない顧客と判断したかどうかは分かりませんが、明らかにぞんざいな扱いをされ、友人としては自分が顧客に値しないと判断されたと思ってしまったようです。その結果、対応が良くなかった3社は検討せず、対応が良かった1社で計画を進めることを決めてしまいました。

 ひと昔前に、人は見た目が9割といった内容の本がベストセラーになったと思いますし、私も営業時代がありましたので、対応した営業マンの気持ちは痛い程分かります。もちろん来場の際に、そんな服装で行った友人の配慮が足らなかった部分はあると思います。しかしながら、その友人は一部上場企業の研究職で購入資金もそれなりにあり、なおかつ真剣に検討している顧客であった事には間違いありませんでした。

 住宅着工数が減少傾向の今、服装や持ち物で顧客を判断するのではなく、来場する全ての顧客に対して誠心誠意対応していなければならないと感じる事でしたので、皆様も注意して頂ければと思います。(三大寺)

営業スキル・イベント
その他

2017-9-11
住宅商品トレンド

住宅メーカー&国産材

article by :株式会社住宅産業研究所
 

 三井ホームは、2017年6月より熊本営業所における2×4工法による注文住宅の構造材に、熊本県の杉材の採用を開始しました。熊本県では、公共施設等における木材利用の基本方針を策定すると同時に、県内市町村でも県産材の利用促進を進めており、その方針に沿った提案を強化するということです。具体的には、壁部分を構成する縦枠材として延床面積40坪の2階建の場合、約5㎥を使用するとしており、同時にゴールデンウィークにオープンした展示場においては、内装材にもブランド材として評価の高い小国杉を採用し、地域に根ざした提案をアピールします。
 一方、木造住宅大手の住友林業では、マルチバランス構法を採用するマイフォレストという商品シリーズにおいて、主要構造材等に国産材の使用を進めてきました。注力するビッグフレーム構法においても、2014年にオープンした東京駒沢の高級仕様展示場では、柱材に国産ヒノキを、内装材には北海道のナラ材を使用するなど、国産材の使用をアピールしています。この展示場における主要構造材の国産材利用率は69%に達しており、富裕層向けの高級仕様の差別化ポイントとしても、国産材は注目です。
 積水ハウスでは、木造商品シリーズであるシャーウッドに使用する木材について、2007年に独自の木材調達ガイドラインを策定し、2010年からは主要構造材に国産材を使用すべく、国産材仕様の整備を進めてきました。2013年には林野庁による木材利用ポイント制度に対応する仕様として「純国産材プレミアムモデル」を設定し、全国10の国産材産地と連携した高級木造消費の差別化仕様と位置付けています。この取り組みにより、2015年ウッドデザイン賞を受賞し、受賞記念商品として発売した「グラヴィス リアン」では、柱に国産材を標準採用しています。
 国産材を使用した住宅というと、木造地場ビルダーのイメージが強いですが、住宅メーカーでも差別化ポイントのひとつとして、普及する可能性がありそうです。(脇田)

商品
ハウスメーカー関連

2017-9-8
業界トピック

賃貸住宅の曲がり角か?

article by :株式会社住宅産業研究所
 


 2017年6月と7月、貸家の着工が2ヶ月連続で前年を割りました。リーマン・ショック後の落ち込みから、消費増税を経ても、増加基調で来た賃貸住宅の着工が、いよいよ曲がり角が差し掛かって来たようです。大手の貸家受注も前年割れという動向が見られ始め、今年度の貸家着工も、前年割れする可能性は高まって来ました。
ここまで賃貸着工を増加基調で保ってきたのは、相続税対策と超低金利が続いているという背景があります。本当に建てられるべき、必要な賃貸もたくさんあるはずですが、一部の物件では、将来的に入居や家賃を維持できないようなケースもあり、その辺が多くのメディアにおいて、賃貸過剰、空き家増加、オーナーとの家賃保証トラブルといった報道として伝えられました。一連のネガディブ報道が、賃貸市場にマイナスな印象を与えたことは否めません。
 確かに2016年度の賃貸着工は43.3万戸と、リーマン・ショック前の水準にも到達してかなり増えましたから、多少調整や過熱の冷却ということも必要かもしれません。ただあまり悪いことばかり取り沙汰されるのは、住宅業界全体においてもマイナスのイメージになります。

 弊社ではあまり賃貸バッシングの記事は書いておりません。本当に賃貸が過剰だと思ったら、それはまたそういう路線で伝えなければならないでしょうが、今は報道の方が過熱しすぎな感じを受けます。一部の業者でやや分乱暴な売り方をしているケースは非難されるべきかもしれませんが、賃貸住宅の適正な供給は必要ですし、また好立地な物件であれば適正な建て替えも必要です。(関)

市場
その他

2017-9-4
元工事マンの業界レポート

空き家率の実態を再考する

article by :株式会社住宅産業研究所
 


昨今のメディア等で騒がれている空き家問題の実態について、株式会社リクルート住まいカンパニー住まい研究所所長の宗健氏が衝撃的なデータを発表しています。
「住宅土地統計調査が示す賃貸住宅の空き家率は過剰に見積もられており、実態とはもっと低い。」という論評です。同氏は、リクルート管理のSUUMOに登録された物件情報を元に独自の賃貸空き家率を算出すると、住調で算出される賃貸空き家率よりも低い数値が現れると言います。

エンドユーザーを対象に実施した「実際に近所に空き家はありますか?」という空き家の認知度アンケートでは、「ない」、「わからない」という回答が全体の60.7%を占めています。住調が示す7戸に1戸空き家が存在する(空き家率13.5%)のであれば、もっと多くの方が空き家を認識しているはずであり、このアンケート結果は空き家率13.5%とかけ離れたものと言えます。確かに住調の空き家率は実態よりも高く算出されているかもしれません。

これまで、空き家率は住調の結果ほど高くないという内容を記してきましたが、今後の人口減少・世帯減少を見据えるとやはり看過できる問題ではありません。賃貸空室率の問題は、世間で言われる程、深刻ではないのかもしれませんが、今後、築古物件に空室が多くなってきた時に解体や建替をオーナーに提案できるような建設から解体までの一貫したマネジメントが重要となってくるでしょう。

■SUUMO掲載データを用いた空き家率推計(出典:リクルート住まい研究所)
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