本格的な住宅着工減少期で、ゼネコン化が進む

 大手ハウスメーカーとゼネコンの資本提携がまた一つ。ミサワホームが大末建設の株を14%取得する資本提携が発表された。大和とフジタを筆頭に、ハウスメーカーによるゼネコンの子会社化や、資本提携して筆頭株主になるケースが相次いでいる。大末建設は、ミサワの手掛けるリファイニング建築事業において、飯田橋にある旧専門学校を賃貸住宅にコンバージョンする施工を行ったゼネコンである。その時のコラボをキッカケに、協力し合うメリットを互いに見出して資本提携にまで話が進んだようだ。
 非住宅事業の強化。住宅会社がゼネコンとの提携を急ぐその動機は、国内住宅着工が本格縮小期に突入したことが大きい。2017年度の着工総戸数は前年比3.3%減の94.6万戸と、ほぼ想定通りの着工に留まった。その中身を見ると、貸家の着工がマイナスに転じ、持家も3.3%減少の28万戸強、建売住宅以外は、全てが減少という結果だ。
 貸家はまだ大幅な減少というところまでは行かず、低層貸家で3.1%減、中高層は5.9%減少。さすがここ数ヶ月はマイナス幅は大きく出ているが、それでも年間41.6万戸もある。リーマン・ショック後で、2016年度に次いで2番目に多い貸家着工だ。つまりまだ貸家好調の受注残の影響が残っており、貸家が反動減とも言える大きな減少期に入るのはこれからということだ。
 持家の28.2万戸は、過去20年間においては2014年度に次いで2番目に少ない。今の人口・需要発生率という水準からは、持家市場は確実に28万戸レベルのところに落ちている。最後に30万戸を超えたのは、前回増税前駆け込みのあった2013年度の35.3万戸。既に持家の本格縮小期は始まっており、30万戸を超えるだけの市場キャパはないと言える。
 代わりに市場が拡大しているのが建売住宅で、14.3万戸と、これは過去10年の中で最も多い水準である。業者倒産も多かった09年度に比べて1.5倍水準まで増えている。分譲系ビルダーの勢いもあって、持家から建売へ市場がシフトしていること、またマンション高騰からの顧客流入もある。
 では今年度以降の着工はどうなるか。最大の集客期であるGWも、集客は前年並みとか数だけは増えたといった会社、エリアもあるが、顧客の動きはまだ鈍い。これまで何度か触れて来たように、駆け込みがあっても大きな着工増は見込みにくく、持家でせいぜい30万戸。建売も少し増えるかどうかといったところで、貸家はマイナス傾向を強めるだろう。今年度着工はいいとこ96万戸というところに留まりそうだ。
 さて、増税後の住宅市場を考えたら、当然新築住宅だけを手掛けるリスクは大きく、ストックや海外、そして非住宅を強化していく動きは自然の流れである。ゼネコン提携は今後も加速しそうだ。(関)

 

 

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