ストック流通時代へ、安心R住宅がスタート!

 2018 年4月、ストック市場にとっては、極めて大きな転換期を迎えることになる。安心R 住宅、改正宅建業法のインスペクション説明、フラット35 リノベの拡充、中古買取再販の特例税制の4本柱だ。
 中古マンションの流通はもはや一般的で、新築よりも多く取引される時代になった。中古買取再販業者もインテリックスやスター・マイカといった専業大手に加え、大京、大和ハウス等の大手企業が参入し、第三の市場として構築されている。
 一方で、戸建に関しては依然として、不安、汚い、分からないといった流通の妨げ要素が色濃く残ったままだ。中古買取再販最大手のカチタスはローカルエリアで成功しているが、なかなかその後に続く業者は出てこない。
 この4月から始まる安心R 住宅制度と宅建業法改正によるインスペクション説明は、この既存戸建住宅の市場を大きく変える可能性がある。ストックが流通する際に、何らかのインスペクションが入ってくるようになるわけだ。
 買い手が安心できるような情報提供を、売り手はもっとさらけ出して行こうというような動きであり、既存住宅瑕疵担保保険を締結できるような安心できる住宅として、国のお墨付きを付ける制度ということである。よってこのロゴマークは一つの広告として大きな力を持つことになる。
 またこの制度は、新耐震基準で雨漏り等の不具合が無ければ、リフォームを実際に行っていなくても良いという点もポイントだ。実際にリフォームするかどうかは、買主の選択に委ねられるが、瑕疵保険が締結できるようなリフォーム提案は付ける必要がある。仲介する業者にとっては、提案書として見積もりを作ったりという手間が掛かるというデメリットもあるが、これによって仲介業者とリフォーム業者の業務提携等が進む可能性もある。
 安心R と同時にスタートする売買時のインスペクション説明は、その存在を知らなかった売り手、買い手共に、インスペクションの利用を促す効果はあると思われる。結果として、瑕疵を巡っての引き渡し後のトラブルを防止することにはつながるだろう。安心して既存住宅が流通できるような市場を構築したい。そういう意味では、ストック流通市場の健全性は増していくと思われ、同時に流通時リフォームの増加も期待できる。

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