若返り新社長で挑む住宅新時代

 今年最初の大きなニュースと言えるか。積水ハウスが10年ぶりに社長交代を発表した。中興の祖である和田会長、そしてこの10年間は阿部社長が積水ハウスを引っ張り、売上高2兆円企業に拡大させた功績は大きい。その阿部社長からバトンを譲り受けたのは、52歳の仲井社長だ。若い力を期待しての社長交代という。大手上場企業の社長としてはまだ若手で、中長期的な将来を見据え、激動の時代に突入するであろう住宅業界で舵取りを任せられる。
 昨年から、大手ハウスメーカーの社長交代が相次いでいる。2017年度のスタートを切った4月には、旭化成ホームズの川畑社長が就任。当時58歳。6月に社長就任が固まったミサワホームの磯貝社長は当時60歳。そして11月には大和ハウスの芳井社長が59歳で就任した。芳井社長は、大和ハウスを建設業の総合1位から、戸建住宅やアパートなど個別事業でもトップを目指すと、就任当初の抱負を語っている。少し前の2016年に遡れば、パナソニック出身の松下氏が、当時52歳でパナホーム社長に就任しており、大手ハウスメーカーの社長若返りは明らかだ。
 1年間に4人の社長交代が起こっていることは、これからの住宅の新時代が、従来の業界とは異なるものに大きく変わっていくということへの備えとも言えるだろう。中長期的な目線で、長く社長として会社を引っ張っていくことが求められている。消費増税、五輪後のロス、団塊世代の後期高齢者化、住宅業界のグローバル化と多角化、AIやIoTといった第四次産業革命における住宅市場の行方など、これからの住宅業界では何か起こってくるか、従来の市場動向からは図り知れないところもある。
 IT業界の社長は大抵若い人が多く、時を同じくして社長交代が発表されたヤフーの新社長も43歳である。住宅業界の新世代ビルダーの社長はほとんど40歳前後だ。先の見通ししにくい、変化の激しい時代には、若い力でうまく乗り越えていくことが必要なのかもしれない。
 住宅業界では、ビルダーが強くなっているとはいえ、やはり大手ハウスメーカーが中心になってリードしている。そういった面でも、相次ぐ新社長の就任により、住宅業界も新時代へ向けての体制を整え始めた。新しいトライアルや新展開、更なる業務提携等、次世代へ向けた動きが楽しみである。(関)

 

 

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