2018年には賃貸へもZEH化の波が訪れる?

 

1.賃貸ZEHはアパート受注へ向けた新切り口となるか?

 アパート受注が徐々に厳しくなっているのは既報のとおり。今期10月までの着工ベースでも、低層貸家は▲1.1%、中高層貸家は▲4.9%と共に前年度比マイナス。エリア別には、低層貸家は北関東が2ケタマイナスとなるほか、全国10エリア中7エリアがマイナスに振れている。

 これで賃貸住宅建て過ぎ報道については、ややひと段落しそうな雰囲気が出てきた。とはいえ、賃貸住宅を検討するヒトやその親族がひとたびネット検索すれば、まだまだ山のようなネガティブ情報が出てくることには変わりない。また金融機関のローン引締めも継続中と見られることから、まだ当面は賃貸住宅受注の苦戦が続く可能性は高いだろう。

 そんな中、新たな賃貸住宅の付加価値として注目を集めそうなのが、ZEH賃貸だ。ご存知の通り、戸建ではハウスメーカーが走り、ビルダーはまだまだといったZEHだが、将来的に新築住宅の半数はZEHとする目標を随分前に掲げられ、食わず嫌いのビルダーがボチボチ始めそうな雰囲気が出てきた。補助金がどの程度付くかにもよろうが、来年度にはZEHは市民権を得そうな様相とも思われる。

 賃貸住宅に関しては、今年6月に積水ハウスが金沢で初の全戸ZEH賃貸(平成30年1月完成予定)の発表を行ったほか、11月には大東建託が伊豆市で戸建ZEH基準を満たした賃貸住宅の完成を発表するなど、徐々に動きが表面化。まだまだ採択数は少ないものの、昨年度より賃貸住宅における省CO2促進モデル事業も始まっているなど、賃貸住宅の断熱化も進み始めている中でのZEH賃貸の話題であり、今後更なる普及が進んでもおかしくない印象ではある。

 そもそも賃貸住宅も、現在の日本の居住水準に見合ったものに建て替わる必要はある筈だ。オーナーリスクに直結しやすい耐震性能が比較的注目されるものの、暖かい賃貸、エネルギーを使わない賃貸も同じくテーマの一つ。高断熱化やZEH化するためのコストを家賃転嫁しにくいことから、事業としてのうま味が無さそうに思われ、その分進んでこなかった側面は大きい。しかし今後は後述するように、トップ企業3社の動きが顕在化してきたことにより、認知度が高まることは間違いなさそうで、入居者の物件選択における新たな切り口として、機能し始める可能性は高いと思われる。

 

【記事の続きの見出し内容】

2.ZEH賃貸のキーは何か?

3.積水ハウスの全戸ZEH賃貸

4.大和は名古屋を中心にBELS訴求

 

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