遠隔地建築は増えるのか?

近頃ハウスメーカーによる遠隔地建築の新聞広告が増えています。遠隔地といっても別荘や田舎暮らしなど、リタイア組への提案がほとんど。今後アクティブシニアが増えるに従って、高齢者の移住や二地域居住等が増えていく可能性は高そうです。

一方で若者でも移住の例がないわけではありません。徳島県は地デジへの移行に伴う難視聴対策として光ファイバー網の敷設に注力したことで、ほぼ全ての集落に高速インターネット環境が整備されました。これを活用してSansanなど10社以上のIT系のベンチャー企業の誘致に成功したのが同県の神山町です。

限界集落化の危機にあった神山町ですが、上記のようなインターネット環境や田舎暮らしの良さ、古民家をリフォームした格安賃料のオフィス等をアピール。高速インターネット環境が整っているため、テレビ会議を都市部のオフィスと繋ぎっぱなしにすることでコミュニケーションにも不足はなく、災害時のバックアップ拠点という役割も担うことができます。社員は近所に住んだり、母屋に住んだりと、在宅就労に近いスタイルで働けることも大きな魅力で、これは在宅就労によってワークライフバランスを推進する政府の方針とも合致しています。

田舎暮らしを支援する相談窓口「ふるさと回帰支援センター」によれば、田舎暮らしの希望者に占める若年層の割合は年々増加していると言います。企業やそこで働く若者双方にとって田舎暮らしのメリットが大きいとすれば、住宅業界としても企業と若者の地方移住を一つの切り口として提案してみるのも面白いかもしれません。(平野)