輸入住宅について

先日エリスマン邸を見に行ってきました。設計したのは「日本現代建築の父」とも呼ばれるアントニン・レーモンドで、1926年に建てられ、1990年に横浜元町公園に移築復元されました。横浜の山手周辺には、たくさんの洋風建築が残っていますが、エリスマン邸はその中でも少し異なる雰囲気を感じます。

話は変わりますが、日本で輸入住宅が流行したのは1990年代後半で、現在では当時ほどの勢いは有りませんが、洋風のデザインが好きという顧客は一定数おり、大手ハウスメーカーの他、住宅FCやローコスト住宅などでも広がりを見せています。
有名な三井ホームでは北米をメインに幅広い国々のデザインを踏襲した住宅を扱っています。その他、東急ホームズはアメリカ西海岸シアトル。スウェーデンハウスは北欧スウェーデン。FC系では、セルコホームは北米カナダ。インターデコハウスはヨーロピアンアンティーク調など、それぞれどこの国の住宅をメインに扱っているかで特徴が分かれている様に思えます。
最近FC加盟店数を増やしているオーガニックハウスは、フランク・ロイド・ライトの設計思想を受け継いだ住宅という事で、これも一種の輸入住宅(デザインの輸入)と言えます。輸入住宅は特徴的なデザインから、主に女性を中心に選ばれることが多いですが、この住宅に関してはどちらかというと男性受けしそうなイメージで、邸宅感があるのが特徴です。

輸入住宅は高い断熱性などのメリットもあり、特に北欧、北米系ではよく性能での差別化が行われています。とはいえ輸入住宅の一番の売りはやはりそのデザイン性で、エリスマン邸でも感じられるように、永い時間が経っても古臭さを感じず、いい具合に味が出てくるというのが特徴だと思います。販促については単にデザインや性能だけではなく、自社で取り扱う住宅デザインの由来や構造の歴史などのウンチクも上手く伝え、輸入住宅であるという付加価値を訴求できるかが重要かと思います。(高津)
■エリスマン邸
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