2015年初春の広告を振り返る

今年も残すところ後わずかとなりました。来年、2016年10月にはいよいよ契約ベースでの消費税10%が現実のものとなります。住宅検討客の動きも9月にかけて徐々に活発になっていくと見られますが、住宅会社が元日に出稿する新春広告は、これらユーザーに対してどういったスタンスで臨むのかを伺い知ることができます。そこで今回は、2015年の新春広告を見ることで、その狙いや実際の動きがどうであったか等、振り返ってみたいと思います。

まず積水ハウスは、家に帰りたくなる住まいとして、定番の「家に帰れば、積水ハウス」で企業イメージを訴求。加えて、ここ4~5年継続して訴えている「夢よ、もう1階」で都市部の3~4階建への注力を改めてアピール。実際に、全国的にもかなり3階建の増えた年となりました。

大和ハウスは2本のイメージアップ広告を掲載。吉田松陰の教えを伝え続ける萩の街の暮らしを、「共創共生」を掲げる大和ハウスが見習うべき手本として訴求するほか、家族を見守る家としてxevoブランドをアピールしています。特に前者ではこのところ大和で増えてきた、大型の敷地に対して分譲地やマンション、商業施設、高齢者住宅を一体的に開発する街づくりに対しての潜在的なイメージアップを図りました。

ハイム、ミサワ、パナといった販売会社を持つメーカーについては、販社ごとに広告出稿しているケースが多く、企業イメージよりも自社の強みやキャンペーンといった営業色が強くなっていきます。ハイム中部、ハイム東海は冬期で一貫して訴求する「あったかハイム」をアピール。ミサワやパナも地域ごとに各種キャンペーンや自社の強みのアピールなどを行いました。

その他注文系では、住友林業が邸宅設計プロジェクトを本格稼働させ、高級路線により注力するとの構えから、元旦広告から富裕層向けの新商品であるBFグランスクエアを掲載しました。また旭化成は二世帯住宅40周年を掲載しており、2月10日を二世帯住宅の日に制定し相談会やシンポジウムを開催するなど、二世帯住宅絡みでの動きが目立った1年となりました。

以上、新春広告でも各社のカラーがかなり異なることがわかります。
この2015年の広告を踏まえた上で、消費増税の年となる2016年の新春広告にも注目してみると、各社が注力するポイントも見えてくるのではないかと思います。

本年も弊社をご愛顧頂き、まことにありがとうございました。
来年もどうぞ引き続き、宜しくお願い申し上げます。(平野)

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