異業種グループ傘下に入ったシナジー効果~フレッシュハウス

弊社では2年前から年4回、リフォーム専門誌「 TACTリフォーム 」を発刊しています。先日はその取材で、リフォーム専業大手のフレッシュハウスにお話を伺ってきました。

フレッシュハウスは神奈川県西部を中心に埼玉、東京などを営業エリアとして、水回り設備の交換工事等を年間約9000件手掛け、年商60億円規模のリフォーム専業会社です。
15年4月からは株式の66%を譲渡して損保ジャパン日本興亜グループの傘下に入りました。グループ入りによって、すでに下記のようなシナジー効果が表れています。

  • ①グループ社員約50,000人の見込み客からの受注
  • ②保険加入者への保険支払いに絡む受注
  • ③グループで保有するビルのメンテナンス

 また、今後は新たなリフォーム事業も開拓できそうです。

  • ①グループの各種保険加入者へのリフォーム訴求
  • ②グループの介護事業に絡む受注

 損保ジャパン日本興亜グループでは、12年に九州大手のシダー、昨年10月にワタミの介護、同12月に「アミーユ」などのブランドで有料老人ホームを展開するメッセージを買収したことで、グループの介護事業売上はニチイに次ぐ業界2位に躍り出ました。

ここから介護施設の改修や、在宅介護のバリアフリーリフォーム等の需要が発生してきます。人員と体制が整えば、リフォーム売上を飛躍的に拡大することができるでしょう。

 【介護事業】を傘下に持つ【保険事業】という異業種と一緒のグループになったことで、【リフォーム事業】の領域を広げることができます。住宅業界でもこのような異業種との連携・M&Aはまだまだ出てきそうです。

 「 TACTリフォーム 」次号は10月1日発刊の2016年秋号「専業リフォーム業者特集」です。(布施)

この記事の著者

布施 哲朗

2007年8月に住宅産業研究所へ入社。TACT編集部、マーケティング部を経て、2011年12月にTACTデスク、2018年11月にTACT編集長に就任。
同誌では、ビルダーを中心に全国各地の住宅会社へ直接取材を行い、最先端の商品戦略・営業戦略の情報を収集し記事を執筆、他媒体への記事提供も行う。一方で、建売住宅、リフォーム、海外市場など、多分野の調査資料を作成する他、受託調査、講演、セミナーも行っている。

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