地方移住支援は実を結ぶか~大和ハウス工業

国内人口が減少に転じてから、人口減少がより顕著な地方自治体を中心に、都市機能を維持すべく大都市圏からの移住を支援する動きが活発化しています。しかし、ごく一部の人気自治体を除けば、理想の移住者である若年子育て層どころか、引退後の高齢者でさえ呼び込みに成功していません。働き口や近隣住民とのコミュニケーションなど移住におけるハードルは幾つもありますが、そもそも候補となる都市が「移住するだけの魅力がある」ことを移住希望者に伝えられなければ、移住者を呼び込むスタートラインにも立つことができません。そこで各自治体とも、おらが街の魅力を知ってもらうべく様々な情報発信を行っていますが、移住の要の一つである「住まい」とのコラボレーションも増えてきているようです。

ハウスメーカーの中で、現在最も移住支援に注力していると思われるのが大和ハウス工業です。従来から森林住宅と題して、別荘地やリゾート地における住まいの供給に注力してきましたが、この2月には東京本社において、全国11自治体との合同イベントとして移住・観光フェア「日本のまち、魅力再発見!」を開催するなど、自治体とコラボして自社分譲地や分譲マンションのアピールを行っています。

下図はその大和ハウスが不定期開催する「別荘&移住フェア」の告知広告です。この2~3月にかけて大阪本社、東京本社において開催するイベントで、「オーナーの生の暮らしが見られる“暮らしぶりライブ中継”」や、行政の担当者が生の声を届ける「自治体トークライブ」などを実施。移住や別荘に関心を持つ層を集客し、自社物件紹介や管理の重要性を通じて、「移住するなら大和ハウス」といったアピールを行っています。移住・別荘需要は決して市場として右肩上がりというわけではありませんが、地方においても存在感を発揮する同社の土地活用事業とのシナジーも考慮すると、将来大きなメリットをもたらす可能性はありそうです。(平野)

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