8月受注▲2%、10カ月連続減、重い動き続くが“底打ち”の兆しも

大手住宅メーカー10社の8月受注は10社合計で▲2%、11カ月連続のマイナス受注となりました。部門別に全体傾向は、
・戸建請負【苦戦】
・戸建分譲【比較的堅調】
・アパート【好調持続も勢い鈍化】
という状況にあり、7月迄の重い動き、厳しい受注環境が続いています。

特に、主力の戸建請負は後押し材料不足で決め手に欠き、長期化・様子見が常態化しています。戸建分譲は低金利を背景に若年層一次取得者中心に比較的堅調な動きが見られますが、土地政策による在庫状況や優良物件の多寡で堅調なところとやや苦戦のところがまだら模様の状況に変化はありません。また、これまで全体受注を牽引していたアパートは前年までのハードルが高くまだ好調といえますが、空室問題や過剰融資の報道、地方中心にアパート融資の審査が厳しいなどマイナス材料もあり、慎重なオーナーが増えるなど勢いは鈍化傾向にあります。

但し、大手10社の全体受注伸率は4月の▲8%を底に、5月▲5%⇒6月▲5%⇒7月▲4%⇒8月▲2%とマイナス幅は縮小傾向にあり、【底打ちの兆し】も感じられます。後押し材料不足、長期化・様子見の常態化に加え、北朝鮮リスクなど不安要因も重なる厳しい市場環境の中で、“予想以上によく頑張っている”と評価することもできそうです。
このような背景には、住宅ローン利用者にとって史上最高水準の低金利がやはり後押し材料であること、先行指標の集客が新春以降堅調に推移していることが主な要因と考えられます。集客の中身も具体客が目立つなど比較的濃く、来場・商談・契約見込み客数ともそこそこの水準は確保できているようです。

では今後、受注がどのように推移するのか?というと、正直、読めない部分が多く、不透明ということになります。それでも、先行指標の集客は8月まで堅調に推移しています。足元の株価も上昇傾向にあり9月21日には年初来高値の2万400円台を付けるなど好調です。ドル円も112円台と円安傾向にあり市況は追い風といえそうです。北朝鮮リスク、衆院解散総選挙と不安材料や波乱材料含みで決して楽観することはできませんが、それでも中身の濃い住宅計画者が確実に動いています。積極的な仕掛けの展開、自社の特徴訴求、中長期客を含めた丁寧なフォローなど、今できることを徹底し、一件でも多くの受注に結び付けたいものです。(岩澤)